教育

地理学概論I 2018(後期)

政治・空間・場所―「政治の地理学」にむけて
General Geography I
Space, Place, and Politics: Towards a Geography of Politics

教室と時間
1号館 134号室
毎週火曜日、午後2時45から4時15分

担当:山崎孝史(やまざきたかし)
連絡先: yamataka[at]lit.osaka-cu.ac.jp
担当者ホームページ: http://polgeog.jp/
講義ホームページ: http://polgeog.jp/archives/1818

I 担当教員のプロフィール

1961年京都市生まれ。2004年コロラド大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。専門は政治地理学、特に地域社会軍事化、地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄。沖縄の基地所在市町村の変容、日米安全保障関係の変化と社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(四段)。

II 科目の主題

本講義は、現代社会を地理学的に理解する一つの手段として、政治という側面について考えます。政治地理学の入門編として、政治地理学の理論と分析方法について講述したあと、事例研究を紹介し、政治を地理学的に研究する有効性について解説します。本講義によって、政治的事象が空間や場所といかに密接に結びついているかを理解できるようになるでしょう。

III 達成目標

1 近代政治地理学の展開を批判的に振り返りながら、国際社会の変動を理解する視座として政治地理学の有効性を理解します。
2 マルチ・スケールの観点から、空間・場所・領域に関する政治地理学的理論を理解します。
3 コンテクスト・スケール・言説という概念を用い、グローバル/ローカルな政治事象の分析方法を把握します。
4 以上の理論的・概念的理解をもとに、政治地理学的な事例研究へのアプローチを習得します。

IV 授業内容・授業計画

本講義は4部14回からなります。第1部は、近代における政治地理学の展開、つまり戦前の地政学から現代の政治地理学までの流れを、英米と日本においてあとづけ、「新しい地政学」および「場所の政治」研究の視角を示します。第2部は、空間や場所と権力との関係を明らかにしつつ、その関係を反映する領域の性質を理論的に解説した上で、グローバル化とナショナリズムについて政治地理学的に考えます。第3部は、「コンテクスト」、「スケール」、そして「言説」という政治地理学にとって鍵となる概念について説明し、それらを実証研究のなかでどのように活用しうるかを検討します。第4部は、第3部までの理論的・概念的な議論が、具体的な事例研究としてどのように展開できるかを解説しています。つまり本講義では、政治地理学の学史・理論・概念・実証というテーマが断続せず、前後のテーマと重なりあいながら展開する構成になっています。受講生がこれら4部からなる本講義を受講することによって、政治地理学の理論的視角のみならず、日常的に見られる政治的な出来事に対する感性と理解が深まることを期待します。

各週のリンクをクリックすれば週レポートの課題(「授業に関するお知らせ」へのリンク)と講義スライド(PDFファイル)をダウンロードすることができます。

週番号 テーマ 課題 スライド
第1週(10月2日) 講義の構成   PDF
第1部 政治地理学がたどってきた道 
第2週(10月9日) 政治地理学の起源と地政学の盛衰(テキスト1章) 課題2 PDF
第3周(10月16日) 政治地理学の展開と課題(3章) 課題3 PDF
第4週(10月23日) 討論:学問と戦争 課題4  
第2部 空間・場所・領域 
第5週(11月6日) 空間分析批判(4章) 課題5 PDF
第6週(11月13日) 場所の政治的意味(5章) 課題6 PDF
第7週(11月20日)  人間の領域性(6章) 課題7 PDF
第8週(11月27日) 討論:辺境の保守化 課題8  
第3部 コンテクスト/スケール/言説の政治 
第9週(12月4日)  コンテクストの政治(8章) 課題9 PDF
12月11日 休講    
第10週(12月18日) スケールの政治(9章) 課題10 PDF
第11週(1月8日) 言説の政治(10章) 課題11 PDF
第12週(1月15日) 討論:地政言説の「真偽」 課題12  
第4部 理論に根差した事例研究へ 
第13週(1月22日) 政治的地域性の析出と意義―沖縄の事例 課題13 PDF
第14週(1月29日補講)  新自由主義とリスケーリングの政治―大阪の事例 課題14 PDF
第15週(2月5日) 期末レポート提出 執筆要領  

V 評価方法

(1) 出席
毎週の講義には必ず出席して下さい。出席数が2/3(10回)以上の受講生を評価対象とします。欠席の場合はその他の評価得点から減点する措置をとりますが、病欠などの場合は診断書のコピー等の提出があれば減点しません。

(2) 週リーディングレポート(評価配分50%)
予習として毎週講義前に教科書の指定章を読み、教科書ではなく本ホームページで示される各週の課題を考察し、その回答(あるいは討論時に発言したい内容)を当該講義時に持参し、講義後に提出してください。書式はA4判を縦に用い、横書きで1頁以内(800字程度、極端に少ない場合は減点します)。
左上に以下のように記入してください。講義中に作成せず、原則としてワープロで印刷したものを提出してください。
尚、出席票の代わりとしますので、実際の発言内容、意見、質問などを講義中に書き加えられるよう、用紙の下部1/4程度には余白を設け、記入・署名してから提出してください(Wordによる雛形はこちら)。

   週番号:
   学籍番号:            氏名:
   
各週の課題設問は本ホームページ(講義のページと「授業に関するお知らせ」)にポストしていきます。それをに沿って週レポートを作成して下さい。

(3-1) 期末レポート(評価配分50%) 
執筆要領に従って、テキストの特定の章(複数でも構いません)について論評し、そこで言及された理論的視角を用いて、その章で「言及されていない」事例で理論の妥当性を考察してください。締切は1月29日です。提出場所・受付時間はサポートセンターで確認して下さい。過去の優秀レポートはこちら

(3-2) 討論への参加(評価配分50%)
受講生の中から、6名程度の希望者を募り、第1部から第3部の最終週に討論の時間を設けます。選ばれた者(ディベータ―)は2名ずつに分かれ各週のテーマに関して指定された立場から主張します。このディベートに沿って受講生全員でテーマについて議論し、考察を深めます。ディベータ―を(首尾よく)務めた者は期末レポートが免除されます。

(4) 講義ノート
講義はパワーポイントを用いて行い、板書は行いません。基本的にテキストに沿って進め、多数の画像を用いますので、必要な事項のみノートに書き取ってください。なお、テキストにない事例にも言及することがあります。講義スライドの縮小版(PDFファイル)は上記リンクからダウンロードできます。

(5) 評価
大学の規定に基づき評点が全体の60%以上の受講生を合格とします。

(6) 不正行為
課題等の不正提出や不正作成(盗作)、そのほか不正行為が認められた場合は、その時点で厳正な処置を行い、所属学部に報告します。遅刻・早退・講義中の私語など、講義妨害についても同様の処置を行います。

VI 教材・参考文献

本講義のテキストは山﨑孝史(2013)『政治・空間・場所―「政治の地理学」にむけて[改訂版]』(ナカニシヤ出版)です(旧版ではありませんのでご注意ください)。生協書籍部で販売されていますので、必ず購入してください。

VII コミュニケーション

山崎のホームページにはトップページに「授業に関するおしらせ」というリンクがあります。各週課題の設問、講義中に伝え切れなかった事項、あるいはレポートに関わる情報を掲示しますので、こまめに確認して下さい。また、「質問フォーム」も設置されていますので、講義に関する意見や質問などもお寄せください。速やかに回答して論点や疑問点を受講生間で共有できるようにします。尚、電子メールによる個別の質問・相談も受け付けます。

VIII その他

講義の課題について相談したいことがある場合は、遠慮なく山崎までご連絡ください。

山崎研究室
文学部新築棟358号室