I 担当教員のプロフィール
1961年京都市生まれ。2004年コロラド大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。専門は政治地理学、特に地域社会軍事化、地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄。沖縄の基地所在市町村の変容、日米安全保障関係の変化と社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(四段)。
II 科目の主題
この科目は地理学という学問がどのような課題と方法を持つのかについて、19世紀初頭における近代地理学成立以来の発展過程を振り返りながら、考察することを目的とします。とりわけ1950年代以降の英語圏の地理学における諸スクールの研究分野と基本概念について詳細に検討します。特に今年度の地理学基礎問題研究演習は2020年1月に丸善出版から刊行された『現代地政学事典』(同電子版)を用い、「地政学」の歴史と現在について考察します。担当教員はこの事典の編集に副編集委員長として関わりました。
・オンライン(遠隔)授業について
本演習ではインターネットを介した遠隔授業を実施するためにWebClass、Zoom、Webexといったシステムやアプリケーションを活用する予定です。具体的な活用の手順は追ってお知らせしますが、受講予定者は(特に授業時間帯に)インターネットアクセス可能な環境とデバイスの確保を心がけてください。
III 授業の到達目標
IV 授業内容・授業計画
演習の日程や内容は今後の状況によって変更される可能性があります。課題文献(事典の当該項目)はWebClassを通して提供されます。
週番号 | 月日(予定) | テーマ | 課題文献(予定) |
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1 | 5月12日 | なぜ今「地政学」なのか(先行開講) | |
2 | 5月19日 | 「私たち」は何におびえるのか① | |
3 | 5月26日 | 「私たち」は何におびえるのか② | |
4 | 6月2日 | 対立と連携の構図① | |
5 | 6月9日 | 対立と連携の構図② | |
6 | 6月16日 | 伝統地政学の理論と実践を考える① | |
7 | 6月23日 | 伝統地政学の理論と実践を考える② | |
8 | 6月30日 | 批判地政学の生成と展開① | |
9 | 7月7日 | 批判地政学の生成と展開② | |
10 | 7月14日 | ゆらぐボーダーへの再接近① | |
11 | 7月21日 | ゆらぐボーダーへの再接近② | |
12 | 7月28日 | 「新しい」地政学の地平を求めて① | |
13 | 8月4日 | 「新しい」地政学の地平を求めて② | |
14 | 8月11日 | 期末レポート・メール提出(学部講義用執筆要領) |
Ⅴ 事前・事後学習の内容
事前学習として課題に関連する参考文献を読み、コメントを事前に提出した上で、授業に臨む必要があります。事後学習として各回の議論をもとに期末レポートの執筆を準備します。
V 評価方法
- 出席・参加:毎週の演習ではZoomなどの会議ソフトを用いて、教員・受講生間で課題文献の内容について討議します。必ず出席し、積極的に討議に参加してください。出席数が2/3以上の受講生を評価対象とします。
- リーディング・レポート:各週の授業日の前日午後5時までに、その週の課題文献について要約、論評、および疑問点を提示した1200字程度のショート・レポートをWebClassに提出して下さい。(評価配分60%)
- 期末レポート:演習で扱われた主題に沿って、現代の具体的な地政学的事象を取り上げ、その背景と将来的展望について評価して下さい。字数は6000字(学部生は4000字)程度とします。期末レポートの提出先もWebClassです。(評価配分40%)
- 評価:評点が全体の60%以上の受講生を合格とします。
VI 教材・参考文献
『現代地政学事典』編集委員会(2020)『現代地政学事典』丸善出版(電子版)
山崎孝史(2013)『政治・空間・場所―「政治の地理学」にむけて[改訂版]』(ナカニシヤ出版)
その他の課題文献については演習中に指示します。
VII その他
演習の課題ほかについて相談したいことがある場合は、遠慮なく山崎までご連絡ください。