教育

大学院(オープン):地理学基礎問題研究演習 2020(前期)(遠隔授業)

「新しい」地政学の視座
Perspectives in ‘New’ Geopolitics

教室と時間: 文学部増築棟L263号室
毎週火曜日、午後1時20分から3時

担当: 山崎孝史(やまざきたかし)
連絡先: yamataka[at]lit.osaka-cu.ac.jp
担当者ホームページ: http://polgeog.jp/

I 担当教員のプロフィール

1961年京都市生まれ。2004年コロラド大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。専門は政治地理学、特に地域社会軍事化、地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄。沖縄の基地所在市町村の変容、日米安全保障関係の変化と社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(四段)。

II 科目の主題

この科目は地理学という学問がどのような課題と方法を持つのかについて、19世紀初頭における近代地理学成立以来の発展過程を振り返りながら、考察することを目的とします。とりわけ1950年代以降の英語圏の地理学における諸スクールの研究分野と基本概念について詳細に検討します。特に今年度の地理学基礎問題研究演習は2020年1月に丸善出版から刊行された『現代地政学事典』(同電子版)を用い、「地政学」の歴史と現在について考察します。担当教員はこの事典の編集に副編集委員長として関わりました。

・オンライン(遠隔)授業について
本演習ではインターネットを介した遠隔授業を実施するためにWebClassZoomWebexといったシステムやアプリケーションを活用する予定です。具体的な活用の手順は追ってお知らせしますが、受講予定者は(特に授業時間帯に)インターネットアクセス可能な環境とデバイスの確保を心がけてください。

III 授業の到達目標

『現代地政学事典』の紹介文は事典刊行の意義を次のように説明しています。

「地政学」―人間が暮らす世界としての地理と政治を合わせて考察しようとしたこの学問は、脅威や国家中心主義といった戦争のイメージが付きまとう学問でもある。しかし、現代の地政学/政治地理学は複雑化する空間と政治の結びつきを読み解く,ローカルからグローバルまでのスケールを横断しながら考察する学問領域へと変貌しつつある。それは、「国家」のみならず、私達をとりまく現代社会について、「空間」から、「人々」から、「境界」から、「私達は何におびえ、どう乗り越えるのか」を問おうとする学問である。本書では海外の研究成果も紹介しつつ、大きく6章―私たちを取り巻くさまざまな脅威や不安に関する認識、その構図、伝統地政学、批判地政学、ボーダースタディーズ、さらに地球社会が抱えるさまざまな脅威と解決の模索―で構成。地球社会の脅威を認識し乗り越えるための「新しい地政学」の構築を目指す。

本演習では、こうした「地政学」の歴史と現代的意味を事典の項目の精読を通して理解することを目指します。

IV 授業内容・授業計画

演習の日程や内容は今後の状況によって変更される可能性があります。課題文献(事典の当該項目)はWebClassを通して提供されます。

週番号 月日(予定) テーマ 課題文献(予定)
1  5月12日  なぜ今「地政学」なのか(先行開講)  
2  5月19日 「私たち」は何におびえるのか①  
3  5月26日 「私たち」は何におびえるのか②  
4  6月2日  対立と連携の構図①  
5  6月9日  対立と連携の構図②  
6  6月16日  伝統地政学の理論と実践を考える①  
7  6月23日  伝統地政学の理論と実践を考える②  
8  6月30日  批判地政学の生成と展開①  
9  7月7日  批判地政学の生成と展開②  
10  7月14日  ゆらぐボーダーへの再接近①  
11  7月21日  ゆらぐボーダーへの再接近②  
12  7月28日 「新しい」地政学の地平を求めて①  
13  8月4日 「新しい」地政学の地平を求めて②  
14  8月11日  期末レポート・メール提出(学部講義用執筆要領) 

Ⅴ 事前・事後学習の内容

事前学習として課題に関連する参考文献を読み、コメントを事前に提出した上で、授業に臨む必要があります。事後学習として各回の議論をもとに期末レポートの執筆を準備します。

V 評価方法

  1.  出席・参加:毎週の演習ではZoomなどの会議ソフトを用いて、教員・受講生間で課題文献の内容について討議します。必ず出席し、積極的に討議に参加してください。出席数が2/3以上の受講生を評価対象とします。
  2. リーディング・レポート:各週の授業日の前日午後5時までに、その週の課題文献について要約、論評、および疑問点を提示した1200字程度のショート・レポートをWebClassに提出して下さい。(評価配分60%)
  3. 期末レポート:演習で扱われた主題に沿って、現代の具体的な地政学的事象を取り上げ、その背景と将来的展望について評価して下さい。字数は6000字(学部生は4000字)程度とします。期末レポートの提出先もWebClassです。(評価配分40%)
  4. 評価:評点が全体の60%以上の受講生を合格とします。

VI 教材・参考文献

『現代地政学事典』編集委員会(2020)『現代地政学事典』丸善出版(電子版)

山崎孝史(2013)『政治・空間・場所―「政治の地理学」にむけて[改訂版]』(ナカニシヤ出版)

その他の課題文献については演習中に指示します。

VII その他

演習の課題ほかについて相談したいことがある場合は、遠慮なく山崎までご連絡ください。