教育

地理学概論Ⅰ 2020(前期)(遠隔授業)

政治・空間・場所―「政治の地理学」にむけて
General Geography I
Space, Place, and Politics: Towards a Geography of Politics

教室と時間
遠隔授業
毎週木曜日、午前10時50分から12時30分

担当:山崎孝史(やまざきたかし)
連絡先: yamataka[at]lit.osaka-cu.ac.jp
担当者ホームページ: http://polgeog.jp/
講義ホームページ: http://polgeog.jp/archives/1818

I 担当教員のプロフィール

1961年京都市生まれ。2004年コロラド大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。専門は政治地理学、特に地域社会軍事化、地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄。沖縄の基地所在市町村の変容、日米安全保障関係の変化と社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(四段)。

II 科目の主題

本講義は、現代社会を地理学的に理解する一つの手段として、政治という側面について考えます。政治地理学の入門編として、政治地理学の理論と分析方法について講述したあと、事例研究を紹介し、政治を地理学的に研究する有効性について解説します。本講義によって、政治的事象が空間や場所といかに密接に結びついているかを理解できるようになるでしょう。

III 達成目標

1 近代政治地理学の展開を批判的に振り返りながら、国際社会の変動を理解する視座として政治地理学の有効性を理解します。 2 マルチ・スケールの観点から、空間・場所・領域に関する政治地理学的理論を理解します。 3 コンテクスト・スケール・言説という概念を用い、グローバル/ローカルな政治事象の分析方法を把握します。 4 以上の理論的・概念的理解をもとに、政治地理学的な事例研究へのアプローチを習得します。

IV 授業内容・授業計画

本講義は4部14回からなります。第1部は、近代における政治地理学の展開、つまり戦前の地政学から現代の政治地理学までの流れを、英米と日本においてあとづけ、「新しい地政学」および「場所の政治」研究の視角を示します。第2部は、空間や場所と権力との関係を明らかにしつつ、その関係を反映する領域の性質を理論的に解説した上で、グローバル化とナショナリズムについて政治地理学的に考えます。第3部は、「コンテクスト」、「スケール」、そして「言説」という政治地理学にとって鍵となる概念について説明し、それらを実証研究のなかでどのように活用しうるかを検討します。第4部は、第3部までの理論的・概念的な議論が、具体的な事例研究としてどのように展開できるかを解説しています。つまり本講義では、政治地理学の学史・理論・概念・実証というテーマが断続せず、前後のテーマと重なりあいながら展開する構成になっています。受講生がこれら4部からなる本講義を受講することによって、政治地理学の理論的視角のみならず、日常的に見られる政治的な出来事に対する感性と理解が深まることを期待します。

各週のリンクをクリックすれば週レポートの課題(「授業に関するお知らせ」へのリンク)をダウンロードすることができます。音声付き講義スライドはWebClassから入手して下さい。

注意:授業開始前に第0週の授業を受講し、登録の参考にしてください。また、第1週用の予習課題は5月14日までに提出して下さい。詳しくはWebClassをご覧ください。

週番号 月日(予定) テーマ 資料
第0週 5月7日~13日 講義の構成(先行開講)  
第1部 政治地理学がたどってきた道
第1週 5月14日 政治地理学の起源と地政学の盛衰(テキスト1章) PDF
第2周 5月21日 政治地理学の展開と課題(3章) PDF
第3週 5月26日 オンライン/チャット討論:学問と戦争  
第2部 空間・場所・領域
第4週 6月4日 空間分析批判(4章) PDF
第5週 6月11日 場所の政治的意味(5章) PDF
第6週 6月18日 人間の領域性(6章) PDF
第7週 6月25日 オンライン/チャット討論:辺境の保守化  
第3部 コンテクスト/スケール/言説の政治
第8週 7月2日 コンテクストの政治(8章) PDF
第9週 7月9日 スケールの政治(9章) PDF
第10週 7月16日 言説の政治(10章) PDF
第11週 7月30日 オンライン/チャット討論:地政言説の「真偽」  
期末テスト
第12週 8月6日 期末テスト(午前10時50分に問題を公開します) 問題
第4部 理論に根差した事例研究へ(補講)
第13週 8月13日 戦後沖縄における領域と政治行動(13章) PDF
第14週 8月20日 リスケーリングの政治としての大阪都構想 PDF

Ⅴ 事前事後学習の内容

事前学習として、毎週講義前に教科書の指定章を読み、WebClassで示される各週の課題を考察し、その回答(あるいは討論時に発言したい内容)を当該講義前に提出してください(週レポート課題)。 翌週までに教員のコメントを付して返却する予定ですので、事後学習として回答内容を確認の上、期末テストの準備資料としてください。

Ⅵ 評価方法

(1) 出席
毎週の音声付き講義ファイル(WebClassにリンクがアップロードされます)には必ず目を通してください。各週(木曜日から土曜日まで)の閲覧数が2/3(10回)以上の受講生を評価対象とします。欠席の場合はその他の評価得点から減点する措置をとりますが、体調などの理由による欠席や遅延はその証明となる書類(医療費領収書や診断書のコピー)の提出があれば減点しません。

(2) 週リーディングレポート(評価配分60%)
予習として毎週講義前に教科書の指定章あるいは課題文献を読み、教科書ではなくWebClassで示される各週の課題を考察し、その回答(あるいは討論時に発言したい内容)を当該講義前日(水曜日夜半まで)に、WebClassから記述式レポートで800字程度を入力してください。講義後にコメントを付して返却する予定です。

(3-1) 期末テスト(評価配分40%)
前期中は冊子体の文献の利用が制約されると考えられますので、期末レポートは課しません。変わって短文記述式のオンラインテストを実施する予定です。試験実施日時にWebClassを利用できるよう準備をお願いします。体調不良等の場合は、その証明となる書類(医療費領収書や診断書のコピー)を送信していただければ、追試を実施します。

(3-2) 討論への参加(評価配分40%)
受講生の中から、6名程度の希望者を募り、第1部から第3部の最終週にオンラインないしチャットによる討論の時間を設けます。選ばれた者(ディベータ―)は2名ずつに分かれ各週のテーマに関して指定された立場から主張します。このディベートに沿って受講生全員でテーマについて議論し、考察を深めます。ディベータ―を(首尾よく)務められた人には期末テストが免除されます。

(4) 講義ノート 講義は音声付パワーポイントを用いる予定です。各週授業開始日にWebClassにアップロードし、翌週までアクセスできるようにします。講義内容に関する質問は掲示板に書き込んでください。速やかに回答します。

(5) 評価 大学の規定に基づき評点が全体の60%以上の受講生を合格とします。

(6) 不正行為 課題等の不正提出や不正作成(盗作)、そのほか不正行為が認められた場合は、その時点で厳正な処置を行い、所属学部に報告します。チャットや掲示板での迷惑行為についても同様の処置を行います。

Ⅶ 教材・参考文献

本講義のテキストは山﨑孝史(2013)『政治・空間・場所―「政治の地理学」にむけて[改訂版]』(ナカニシヤ出版)です(旧版ではありませんのでご注意ください)。受講生は入手しておいて下さい。それ以外に必要な教材はWebClass等を通して指示します。

Ⅷ コミュニケーション

講義に関する教員からの連絡や指示はWebClassからお知らせします。受講生からの質問や意見はWebClassの掲示板に書き込んでください。山崎のホームページのトップページに「授業に関するおしらせ」というリンクがあります。各週課題の設問はそこにも掲示されます。また、「質問フォーム」も設置されていますので、こちらからも質問することができます。いずれの場合にも速やかに回答します。尚、電子メールによる個別の質問・相談も受け付けます。

Ⅸ その他

講義の課題について相談したいことがある場合は、遠慮なく山崎までご連絡ください。