政治地理研究部会とは(2019年10月活動終了)

政治地理研究部会は2011年11月に人文地理学会内に初めて設立された政治地理学を専門とする研究グループです。1990年代から増加し始めた日本国内での政治地理学的研究と活発に活動する国外の政治地理学的研究を有機的に結び付ける目的で活動を開始しました。

政治的事象の空間的・地理的側面や権力・政策と空間や場所との関係に関わる幅広いテーマを視野に入れ、国内外の著名な研究者や若手学会員を講演者として招き、年間約4回の研究会を開催してきました。その活動期間は2017年10月に第4期目に入りました(1期の活動期間は2年間)。

研究活動の成果は、積極的に国内外に発信するとともに、さらなる研究の展開をめざし外部資金の獲得を模索し、2015年度(~17年度)には学術振興会科学研究費補助金(基盤研究B)「グローバル化の新局面における政治空間の変容と新しいガバナンスへの展望」(15H03277、研究代表者山﨑孝史)を獲得しました。そして、戦後日本では停滞しがちであった政治地理学を、現代社会を考えるアクチュアルな学問分野として周知・発展させることを目指して活動してきました。

しかしながら、2017年から2年間の活動については低迷を免れませんでした。そこには、学会全体に関わる構造的な問題として、部会運営に関心を示す若手研究者の減少(その背後にある正規就職ポストの減少)とともに政治関係の研究に対する全般的な関心の低下傾向があり、こうした困難な状況を上回るだけの活力やモチベーションの保持が、本部会の世話人の間でも困難となっていたと考えられます。これらの状況を鑑み、本部会は4期8年(27回の研究会開催)に及ぶ活動に終止符を打つことにしました。

ただし、一部の世話人による2019年11月のEARCAG(オルタナティブ地理学東アジア地域会議)ジオポリティカル・エコノミー国際ワークショップの開催や2020年1月刊行の『現代地政学事典』(丸善出版)への編集協力に体現されるように、今後は部会とは別の方法・回路を通じて、政治地理学的な研究活動をすすめていく所存です。


2017-19年度活動報告書

2017-19年度設置申請書

2015-17年度活動報告書

2015-17年度設置申請書

2013-15年度活動報告書

2013-15年度設置申請書

2011-13年度活動報告書

2011-13年度設置申請書