研究

東シナ海島嶼をめぐるトランスボーダー地政学の構築

プロジェクト概要

2018年10月に日本学術振興会科学研究費補助金・国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))「東シナ海島嶼をめぐるトランスボーダー地政学の構築」(課題番号18KK0029、研究代表者山崎孝史)が採択されました。研究期間は2018年10月から2023年3月までです。

本研究は、中国、台湾、韓国からの6名の国際共同研究者を含む9名からなる研究グループを構成し、5年間の研究活動を計画しています。本研究は「東シナ海島嶼をめぐる国際関係の緊張緩和への学問的貢献は国際共同研究を通していかにして可能か」という核心的問いのもとに、東シナ海の地政学的緊張とその緩和のメカニズムを、7つの有人島嶼地域の実態調査から解明し、そこから国際的な緊張緩和に結び付く国境離島振興の可能性を導き出すことを目的とします。そして、そうした学知を「トランスボーダー地政学」と呼び、本研究構成員の研究、教育、社会活動と研究成果の日中朝英四言語での公表を通して、東アジアを中心とする国際社会への普及を目指します。

研究者構成

研究代表者
山﨑孝史(大阪市立大学、日本)

研究分担者
花松泰倫(九州国際大学、日本)
八尾祥平(上智大学、日本)
福本 拓(南山大学、日本)

国際共同研究者
チ サンヒュン(慶熙大学、韓国)
高 誠晩(済州大学、韓国)
パク ベギュン(ソウル国立大学、韓国)
劉 雲剛(中山大学、中国)
徐 進鈺(台湾国立大学、台湾)

プロジェクト研究員
ジョン ウンヒィ(大阪市立大学、日本)

関連する研究活動

国際ワークショップ

本科研費による国際ワークショップを2019年11月に開催しました。詳しくは下記をご覧ください。

第4回東アジアオルタナティブ地理学地域会議(EARCAG)ジオポリティカル・エコノミー(GPE)ワークショップ

会議サイト(英文)

発表要旨募集第一報(1st Call for Abstracts)

発表要旨募集第二報(2nd Call for Abstracts)

発表要旨募集最終報(Final Call for Abstracts)

国際誌Geopolitics特集号編集プロジェクト(進行中)

第4回東アジアオルタナティブ地理学地域会議(EARCAG)ジオポリティカル・エコノミー(GPE)ワークショップに提出されたペーパーをセレクトし、現在Taylor & Francis社のGeopolitics誌上に特集を組むべく、候補論文の査読を受けているところです。4本以上採択されれば特集号が組まれる予定です。詳しくは下記をご覧ください。

国連国際シンポジウム

本科研費の国際共同研究員と共に2020年12月に開催された国連社会開発研究機構(UNRISD)主催の国際シンポジウムに遠隔参加しました。詳しくは下記をご覧ください。

翻訳プロジェクト(進行中)

グローバル化、つまり脱領域化・脱境界化する世界の中で、領域とはそもそも人間社会にとってどのような社会経済的、政治的意味を持つものであったのか。この根源的テーマについてRobert Sack著Human Territoriality (Cambridge University Press, 1986)を完訳するプロジェクトの中で考えていきます。翻訳書は2021年秋に明石書店から刊行予定です。詳しくは下記をご覧ください。

2020年度後期大学院地理学基礎問題研究 『人間の領域性』翻訳プロジェクト

方法論書刊行プロジェクト(進行中)

本科研費のテーマ研究を含む政治地理学方法論書『「政治」を地理学する』(仮題)を政治・社会地理学を専門とする13人の執筆陣で準備中です。出版助成金を首尾よく獲得できれば2022年3月頃の刊行予定です。乞うご期待。

研究会

本科研費プロジェクトに関連する研究会として以下を開催(協力)しました。

2018年11月24日 境界をめぐる実践―ボーダーコントロールとボーダーツーリズム
人文地理学会 第26回政治地理研究部会・第130回地理思想研究部会 合同研究会

2019年4月13日 帝国日本のリミナリティ―植民地台湾と沖縄系移民
人文地理学会 第27回政治地理研究部会 研究会

2020年5月19日 私たちは何におびえるのか―越境する感染症
大学院地理学基礎問題研究演習(Zoom公開)
発表者:山﨑孝史
参考文献:
山﨑孝史「「私たち」は何におびえるのか」『現代地政学事典』(電子版)pp. 2-3
木村義成「SARS(重症急性呼吸器症候群)」『現代地政学事典』(電子版)pp. 60-61
Yamazaki, T. 2020. Covid-19 Pandemic in Japan: Containment Failed or Successful? Geopolitica(s) 11 (Special Issue) pp. 81-91

2020年8月18日 沖縄戦と慰霊を台湾から見つめ直す
地理学教室コロキアム(大学院地理学基礎問題研究演習、Zoom公開)
発表者:八尾祥平(日本学術振興会特別研究員、上智大学)
発表要旨:
 本報告では、沖縄戦や慰霊を台湾との結びつきから見直し、現在、「沖縄問題」や「台湾問題」として議論する地域の認識枠組みそのものを批判的に検証する。沖縄研究では十十空襲が取り上げられる時に、その二日後の台北大空襲は意識されず、その逆も同時に起っている。また、現在の沖縄の米軍基地の青写真はもともとは台湾に建設する予定だったものだったことも意識されていない。このように重要な問題が地域の認識枠組みによって埋もれてしまい、本来はひとつの問題が地域単位に分割・矮小化されていることを指摘する。
参考文献:
八尾祥平「来るべき台湾・ウチナー関係のために」『越境広場』第4号、pp.133-143、2017