「現代の地理学」第一回小テスト解答例と講評

「現代の地理学」第一回小テスト解答は以下の通りです。平均点は9.5点(最高点16点、最低点0点、12点以上得点者67名、受験者212名)とやや厳しいものでした。最初の小テストとあって対策や解答の仕方など不慣れな部分も影響したかと思います。次回も形式は変わりませんので、講義をよく聞き、教科書や講義スライドで予習しておくなど準備をよろしくお願いします。解答に際しての注意点も解答例の後に添えておきます。解答用紙は返却しませんが、各自の得点は期間中2回、照会できる期間を設けますので、その時に手順をお知らせします。

■解答例(あくまで例です、文言に応じて適宜、加点・減点しています)

①ヨーロッパ中世以降、商人や職人は都市に集住し、都市は周辺の農村部から明確に分化していく。その一つ例が囲郭都市であるが、この都市の住民は農村部に依存することなく生活していた。

【 依存することなく          】→( 依存しながら           )

②チューネンによる「孤立国」のモデルは、都市が周辺の農村にどのような影響をおよぼすかを図式化している。つまり、都市を中心に農業的土地利用のパターンは同心円状に変化するが、それは都市の人口属性に応じて利益が最大となる農産物が変わるからである。

【 都市の人口属性           】→( 都市との距離(遠さ、近さ)    )

③ワシントンDCの都心周辺地域には黒人低所得層が集住し、建造物が老朽化するなど貧困問題が顕在化した。しかし、地価の下落に応じて再開発事業が進むと、地価は上昇し、低所得層を立ち退かせる事態が発生するかもしれない。

【 貧困問題              】→( インナーシティ問題        )

 ④ヨーロッパで、1630年ごろから始まる第二次農業革命の特徴の一つは、それまでの三圃式農業にあった休耕地をなくし、換金作物を植えることで農業生産量を飛躍的に増大させたことである。

【 換金作物              】→( 飼料作物(マメ科牧草)      )

 ⑤1990年代以降の日本で、人口減少や高齢化が極度に進んだため存続が困難となった集落を限界集落と呼ぶが、こうした集落発生の前提として、工業化の進んだ地域への人口流出と、政府による農作物輸入政策があったとされる。

【 農作物輸入政策           】→( 減反政策(農業生産調整政策)   )

■解答に際しての注意点

・ 文章内の語句や表現を書き換える以上、書き換えた部分を使った問題文も文章になっていないといけません。日本語として自然でない表現は減点か不正解としています。これがなければ、もっと得点は上がったと思われます。今後、解答の形式には注意して下さい。
・ 解答スペースの中に入る程度の語句や短い表現の修正ですので、文章での説明を求めているわけではありません。的確に書き換えられていない解答は減点か不正解としています。
・ 15分という短い時間でのテストですので、講義での強調点を把握しておき、事前に教科書や講義スライドに目を通しておくなど準備が必要になるでしょう。

2017年度前期「地理学概論Ⅰ」期末レポートの返却について

2017年度前期「地理学概論Ⅰ」の採点済み期末レポートは、下記の期間中、山崎研究室(文学部増築棟3階358室)前の返却箱に入れておきます。返却を希望される方は取りに来て下さい。他人のレポートを損壊したり、故意に持ち帰るなどの行為があった場合は、その時点で返却そのものを取りやめますので、マナーにご注意ください。なお、今年度の優秀レポート(1点)はこちらにアップロードしました。

返却期間:2017年9月27日(水)午後1時より10月10日午後3時(火)まで(予定)
返却場所:文学部増築棟(阪和線沿い)3階358室(地図

「地理学概論I」第14週の課題

教科書第14章のテーマ「安全・安心のまちづくり」について、「効果がある」と評価するコメントをいただくことがありますが、日本において具体的にセキュリティを強化した住宅地について調べてみましょう 。

①ネットなどで国内でセキュリティ機能を強化した「住宅地」(単独の集合住宅ではなく 複数の住宅から構成される地区)を取り上げて、その概要(所在地、設立年、分譲価格・ 戸数など)を調べて下さい。

②取り上げた事例について、どのようなテクノロジー(フェンス、監視カメラ、相互監視 など)が用いられ、どのような利点が強調されているか、具体的な広告文を引用して説明して下さい。またどの程度の需要(販売戸数や入居率)があるかも可能な範囲で調べて下さい。

③最後に、その地域を管轄する警察署などのサイトやネットの記事などで、その住宅地が立地する場所で発生する犯罪の現状や治安上の評判を調べ、立地場所の「危険性」を確認してください。そこから日本でセキュリティを強化した住宅地がどのような性格(効果や矛盾)を持つものか考えてみて下さい。

「地理学概論I」第13週の課題

今週の課題は、中央政府に対して自治や独立を訴えている地方の運動を見つけてくることです。教科書第13章の内容を参考に、日本語で構いませんので、インターネットや新聞記事データベースなどで国外の事例を選んでください。その上で、

①自治や独立の運動の起源と経緯を調べて下さい。

② 地方の側は運動の中で地方のどのような側面を強調しているか、中央政府のどのような 部分を批判しているか、可能な範囲で調べて下さい。

③こうした自治や独立の主張は地方を取り巻くどのような政治経済的文脈(国際関係、資源の存在、軍事的緊張など)と関わっているか、教科書の例を参照して考えてみて下さ い。

「地理学概論I」第12週の課題

教科書第12章を読んで、インターネットのサイトや新聞記事などを参考に、以下の問いに答えて下さい。

①(大阪維新の会や沖縄社会大衆党以外で)都道府県や自治体(政令指定都市)の議会で 「地域(地方)政党」を標榜している政党や会派を見つけて、その名称、設立経緯、議会での勢力について調べて下さい。

②政策綱領から、どのような地域的利害(地方分権や地域の自立性)を主張しているか、 国政政党の地方組織・支部とどのような差異があるかなど調べて下さい。

③直近での選挙結果を踏まえて、地域政党が中央の政治と異なった政治課題を掲げることの意味を考えてみて下さい。

「地理学概論I」第11週の課題

今週は簡単な自治体行財政の分析をやっていただきます。第11章を読んでから、都道府県、政令指定都市(その行政区)以外の近隣の(ただし隣り合っている必要はありません)二つの自治体間で比較を行って下 さい。市は市と比較し、市と村となどしないでください。市町村のホームページには歳出・歳入に関する統計データが公開されていますので、それをもとに計算してみて下さい。こういう分析は初めてかもしれませんが、公務員など志望されている方には参考になるでしょう。

① 歳入には住民に課せられる市町村住民税は基本的に全国一律です。企業などに課せられる法人諸税(地方税)、土地・建物に課せられる固定資産税の税には自治体によってばら つきがあります。これらを含む「税収」を人口で割って、比較してみて下さい。

② 歳出は公共サービス一般への支出に加え、宅地開発・経済開発などの事業支出が含まれますが、一般的には児童福祉に関係する民生費や学校運営などの教育費に支出される経費が多いと考えられます。これらを人口で割って、比較してみて下さい。議会費や総務費は事業支出とは言えません。

③ まとめとして、自治体間で歳入の過不足や歳出入のどこにどれくらい差異があるか比較してみて下さい 。あわせて自治体の人口増減の程度などと対比して行政の歳出入の動向(将来の見通しなど)を考えてみて下さ い。もし可能であれば差異が発生する理由についても考えてみて下さい。

「地理学概論I」第10週の課題

教科書第10章を読んで、以下の問いに答えて下さい。必ず具体的な表現を引用して下さい。漠然と言葉や文章の意味を論ずるのではありません。

①インターネットやメディア報道で、例えば「大阪(市)」や「京都(市)」はどのような街として表現されているでしょうか。肯定的・否定的な表現の具体例をいくつか探してきてください。別の街の組み合わせでも結構です。

②その表現主体(サイト管理者、企業、報道機関、自治体等)はどのような意図からそのように表現しているのか比較し、考えてみて下さい。

③それらの表現を受け取る側は「大阪」や「京都」(あるいは他の街)をどのようにとらえるでしょうか。そこから言葉と政治(意図的な印象操作)との関係を説明してみて下さい。