人間行動学概論B(地理学分野)2022(後期前半)

人間行動学概論B(地理学分野)

時間と教室:
金曜日1限(9:00-10:30)1号館128号室(地図参照) 
対面授業

担当教員:山﨑孝史(やまざき・たかし)
研究室:文学部新棟358号室
オフィスアワー:事前連絡の上、随時
Eメール:yamataka[at]omu.ac.jp([at]は@に)
電話:06-6605-2407(研究室)

I 担当教員のプロフィール

1961年京都市生まれ。専門は政治地理学、沖縄研究。日米安全保障関係の変化と沖縄の社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(四段)。

II 授業概要

人間行動学科の4つのコースのうち、社会学と地理学について行動学として位置づけながらその領域の理解を深める(オムニバス方式/全15回)。

地理学分野(山﨑担当)
・地図や地理学の歴史を軸に人間社会が未知なる世界をどう認識をし、そこに対してどう行動していったかを振り返りながら、人間の行動とそれを取り巻く、空間、領域、場所との関係について講述します。コース専攻の学部生や大学院生も招き、地理学が社会学や歴史学と比べ、どのような観点から人間行動をとらえようとしているのか考えていきます。

III 到達目標

(地理学的アプローチ)地理学的な発想と方法(の一部)を学び、個別の現象に関する地理学的アプローチの事例を知ることで、人間-環境関係の枠組みを理解できるようになりましょう。

Ⅳ 講義内容

スライドPDFは公立大関係者のみダウンロードできます。またその内容は当日の講義と若干異なる場合がありますので、ご了承ください。

授業回 月 日 講義内容 スライドPDF
1 9月30日 人間行動への地理学的接近 PDF
2 10月7日 古代・中世の地図にみる世界観 PDF
3 10月14日 地理学コースで学ぶ(在籍生とのトーク) PDF
4 10月21日 近現代の地図の役割―紙地図からGPS・Google Earthまで PDF
5 10月28日 人間の環境・空間利用 PDF
6 11月11日 人間の領域性―空間と権力の関係 PDF
7 11月18日 人間の心理と場所との密接な関係 PDF
8 11月25日 中間試験 PDF

Ⅴ 講義の構成と評価

(1) 出席:毎週の講義には必ず出席して下さい。コミュニケーションカードの提出で確認します。出席数が2/3以上の受講生を評価対象とします。病欠などの場合は診断書のコピー等を提出すれば、欠席数にカウントされません。

(2)ミニテスト:毎週の授業の終了時に簡単な問題や課題を出しますので、コミュニケーションカードで答えて下さい。

(3) 試験:講義内容に関する多肢択一式テストを行います。持ち込みはできません(評価配分30点)

(4) 講義ノート:講義はパワーポイントを用いて行いますので、原則として板書は行いません。また、画像表示が中心となるため受講生がノートをとる時間が十分にありません。その代わり、講義で用いるパワーポイント用のスライドは教員のホームページを通して公開します。

(5) 評価:後半の講義の成績と合算し、大学の規定に基づき評点が全体の60%以上の受講生を合格とします。

(6) 不正行為:課題等の不正提出や不正作成(盗作)、試験時の不正行為が認められた場合は、その時点で厳正な処置を行い、所属学部に報告します。遅刻・早退・講義中の私語など、講義に支障をきたす行為ついても同様の処置を行います。

Ⅵ 講義スライドの活用法

教員のホームページでは、講義に用いるスライドをPFDファイル化したものを提供します。お使いのコンピュータにパワーポイントがインストールされていなくても、PDFファイル読み取り用の無料ソフトがインストールされていれば、閲覧・印刷ができます。PDFの印刷設定を変えることで紙一枚当たり印刷できる枚数を調整できます。それを授業用のメモなどに活用し、中間試験に備えて下さい。

Ⅶ 参考書(購入する必要はありません)、参考ウェブサイト

竹中克行・山村亜希・大城直樹・梶田 真編著『人文地理学』ミネルヴァ書房、2009年
山﨑孝史『政治・空間・場所―「政治の地理学」にむけて[改訂版]』ナカニシヤ出版、2013年
人文地理学会編『人文地理学事典』丸善出版、2013年
地理学教室ホームページ:https://www.omu.ac.jp/lit/geo/

Ⅷ コミュニケーションとオフィスアワー

授業に関する質問などがあればコミュニケーションカードに書いておいてください。直接質問したいことがある場合はメールか教員ホームページで連絡するか、同様の方法で事前連絡の上、金曜日12時30分から13時20分に教員研究室(文学部増築棟3階358室)をお尋ねください。

地理学講読演習Ⅱ 2022(後期)

Political geographies of Pacific islands: Japan-US relations seen from Okinawa and Hawai’i
太平洋島嶼の政治地理―沖縄とハワイからみる日米関係

教室と時間
非同期型授業:文学部増築棟L363号室 遠隔同期型授業:指定のZoom会議
毎週水曜日、午前10時45分から12時15分

担当教員:山崎孝史(やまざきたかし)
研究室:文学部増築棟L358号室
電話:06-6605-2407 Eメール:yamataka[at]omu.ac.jp
オフィスアワー:事前連絡があれば随時面談可能です。

I 担当教員のプロフィール

1961年京都市生まれ。専門は政治地理学、特に地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄。日米安全保障関係の変化と沖縄の社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(4段)。米国西部にあるコロラド大学ボールダー校地理学部大学院に1998年から2001年まで3年間留学。

II 科目の主題

地理学において、外国語は少なくとも英語の能力を磨くことが求められます。なぜなら、学界の最新の研究動向を知るには英語文献の読解力が前提となり、 将来自らの仕事や研究の成果を国際的に発信していく上で英語が鍵を握るからです。本演習ではこうした観点から英語文献の精読とそれに関する文面・口頭発表から構成されます。特に本演習は、本学における「大学の世界展開力強化事業―日米をつなぐ共創的ソーシャルイノベーター育成プログラム 」(文部科学省助成)の一環として位置付けられています。COILとはCollaborative Online International Learningの略でZoomなどのICTを駆使した海外学生との地球規模のコミュニケーションにより、新しい観点や知識とより深い学びを得る教育方法です。後期にはハワイ大学マノア校地理環境学部と連携した授業を行い、受講生はハワイ大学生とオンライン上で交流しながら、課題に取り組みます。

III 授業の到達目標

本年度前期の講読演習は、”Political geographies of Pacific islands: Japan-US relations seen from Okinawa and Hawai’i(太平洋島嶼の政治地理―沖縄とハワイからみる日米関係 )”というテーマで、COIL型授業でハワイ大学地理環境学部と共有される課題を中心に、ハワイ大学生との間で非同期型授業でのテキストによる意見交換と同期型授業による対面での口頭発表、ディスカッションをとおして課題解決の方策を見出します。

IV 事前事後学習の内容

各週の翻訳課題や英作文は担当者が事前にGoogleドキュメントにアップロードし、教員のチェックを受けます。発表された成果については事後参照できるようGoogleドライブにアップロードします。

V 評価方法

(1) 出席:指定された期日までに各週の課題を提出すること、ならびに討論に当日参加することによって出席とみなします。出席(課題提出)数が2/3以上の受講生を評価対象とします。未提出や提出が遅れた場合は減点しますが、体調と関わる場合は考慮しますので、事前ないし事後にお知らせください。

・同期型授業について
本演習では隔週でZoomを用いた遠隔授業を実施します。具体的な活用の手順は追ってお知らせしますが、受講予定者は(特に授業時間帯に)インターネットアクセス可能な環境とデバイスの確保を心がけてください。

(2) 各週の課題

・和英訳:前期同様に、オンライン翻訳サイトを用いて、課題について編成されるチーム(二人一組)ごとに和英訳を進めます。課題の翻訳文と疑問点を演習実施日の前々日(各週月曜日)の午後5時までに指定のサイト(Googleドキュメント)にアップロードして下さい。

・課題研究:基本的に日本語で行います。ハワイ大と共有する割り当て課題(いくつかの質問から構成されます)について、インターネットや文献を用いてリサーチします。その上で、発表内容を英訳したものをハワイ大の受講生との(Slackと呼ばれるアプリによる)意見交換に用います。

・口頭発表:詳細は追って伝えますが、ハワイ大との同期型(遠隔)授業において、各チームの課題研究についてハワイ大のチームと協力して英語で短いプレゼンテーションを行います。質疑応答については原則的に通訳のサポートが入ります。

(3) それぞれの課題の内容を評価し、総得点60点以上を合格とします。

VI 演習内容

各週の作業テーマは逐次伝えます。また、ハワイ大との調整によって変更される可能性があります。

週番号 月 日 テーマ 参考資料など
1 10月5日 Class guidance and self-introduction on Zoom  
2 10月12日 Research for the weekly assignment and exchange of opinions through Slack  
3 10月19日 Zoom discussion within and between teams  
4 10月26日 Research for the weekly assignment and exchange of opinions through Slack  
5 11月2日 Zoom discussion within and between teams (OMU university festival week)  
6 11月9日 Research for the weekly assignment and exchange of opinions through Slack (UHM no class)  
7 11月16日 Zoom discussion within and between teams  
8 11月23日 Research for the weekly assignment and exchange of opinions through Slack (OMU no class)  
9 11月30日 Zoom discussion within and between teams  
10 12月7日 Preparation for joint team presentation through Slack  
11 12月14日 Joint team presentation on Zoom  

VI 課題文献・辞書サイト 

翻訳に際してはテキストを一括して機械翻訳するDeepL(無料版)Google翻訳Weblio翻訳などがありますので、これらを併用して翻訳や英作文を進めて下さい。その他の連絡はGoogleドキュメントほかを通して行います。

VII 辞書サイトとコミュニケーション

演習に関する諸連絡はGoogleドキュメントあるいは教員のホームページ「政治地理のページ」を通して行います(Moodleの利用は特に考えていません)。これら媒体には演習日以外にも質問などをポストすることができますので、活用してください。翻訳・英作文などで困ったことがあれば遠慮なく教員に相談して下さい。

 

現代地理学入門 2022(後期)

現代地理学入門―人間の領域性を考える

時間と教室:
火曜日4限(15:00-16:30)全学共通教育棟810号室(地図参照) 
対面授業

担当教員:山﨑孝史(やまざき・たかし)
研究室:文学部新棟358号室
オフィスアワー:事前連絡の上、随時
Eメール:yamataka[at]omu.ac.jp([at]は@に)
電話:06-6605-2407(研究室)

ティーチング・アシスタント:伊藤航(いとう・わたる)

I 担当教員の自己紹介

京都市生まれ。専門は政治地理学、特に地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄、日米安保体制の変化と沖縄の社会運動と投票行動との関わりや、復帰前の沖縄における米軍統治の実態などについて研究中。特技は40年以上続けている合気道(四段)。

II 授業概要

現代の地理学は、都市と農村、景観、食糧供給、工業立地、流通システム、政治、観光、文化、地図、地理情報、公共政策・環境問題といった多面的な問題を学ぶことのできる分野である。本講義は大きく「地域の見方」、「経済活動の地理的特徴」、「地理的想像力」、「歴史地図の読解」、「地理学と現代社会との接点」の5部から構成され、対象によって分類される地理学の視角と分析方法についてわかりやすく講述する。地理学を通して、過去から未来、そして地域から世界へと、私たちの思考を拡げていく。

III 授業の到達目標

各回の講義と課題の事前・事後学習を通して各週のテーマ、すなわち主要な地理学分野に関わる主題について、地理学的な見地から理解できるようになることを目指す。その理解の到達度については、各週課題の事後確認によって進捗を確認するとともに、小テストによって各段階での到達度を確認する。

IV 授業内容・授業計画

授業回 月 日 テーマ テキストの章 資料(学内限定)
1 9月27日 イントロダクション(講義ガイダンス) はじめに PDF
2 10月4日 地域の見方―領域性の意味と理論(1) 第1章 PDF
3 10月11日 地域の見方―領域性の意味と理論(2) 第2章 PDF
4 10月18日 経済活動の歴史地理―領域性のモデル(1) 第3章 PDF
5 10月25日 経済活動の歴史地理―領域性のモデル(2) 第3章 PDF
6 11月8日 第一回小テスト 第1~3章 解答
7 11月15日 宗教の地理的想像力―カトリック教会(1) 第4章 PDF
8 11月22日 宗教の地理的想像力―カトリック教会(2) 第4章 PDF
9 11月29日 米国の歴史地図―領域的システム(1) 第5章 PDF
10 12月6日 米国の歴史地図―領域的システム(2) 第5章 PDF
11 12月13日 第二回小テスト 第4~5章 解答
12 12月20日 現代社会との接点―職場の領域性(1) 第6章 PDF
13 1月10日 現代社会との接点―職場の領域性(2) 第6章 PDF
14 1月17日 総括―領域性の事例(1) 第7章、解題 PDF
15 1月24日 総括―領域性の事例(2) 第7章、解題 PDF
16 1月31日 期末テスト 第6章~解題 採点基準

V 成績評価方法

到達目標の達成度については、第一回・第二回小テストについては教科書で説明される理論の理解の程度、期末テストについては理論の応用力が試されます。三回のテストの合計点100点満点に対して60点以上得点して、人間の領域性の理論を理解し、それを現代社会に応用して考えることができると判断された場合に合格とします。

VI 履修上の注意

講義ホームページ(http://polgeog.jp/)と学習管理システム(Moodle)を用いて講義を進めますので、講義スライド等の必要な情報を各媒体から入手し、講義に臨んでください。

VII 教科書

ロバート・サック(山﨑孝史監訳)『人間の領域性―空間を管理する戦略の理論と歴史』明石書店、2022年(授業は本書に忠実に沿って進め、試験の際も持ち込めますが、購入は任意とします)

地理学野外調査実習Ⅱ 2022(前期)

関係性の中の島嶼―淡路島と沖縄島

時間と教室:
月曜日2限(10:45-12:15)
文学部増築棟L363号室

担当教員:山崎孝史(やまざきたかし)
研究室:文学部棟358号室
電話:06-6605-2407
Eメール:yamataka[at]omu.ac.jp
オフィスアワー:事前連絡があれば随時面談可能です。

I 担当教員のプロフィール

1961年京都市生まれ。2004年コロラド大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。専門は政治地理学、特に地域社会軍事化、地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄。沖縄の基地所在市町村の変容、日米安全保障関係の変化と社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(四段)。

II 授業概要

2年生次に習得した野外調査の技量をベースに、前半では関西地方(6月ごろ実施予定)における一日巡検の案内を企画・実施し、後半では沖縄県(9月ごろ実施予定)における野外調査を実施し、報告書を作成します。なお、本実習の一部は地理学講読演習Ⅰ・Ⅱの内容と連携しており、野外調査に必要な経費の一部は自己負担となるので留意して下さい。

III 達成目標

野外調査に必要な調査の準備、計画、技術、公開に関わるスキルを向上させることができるとともに、座学を超えた地域の理解が可能となるでしょう。

IV 授業内容・授業計画

日程はあくまで現時点での予定ですが、5月から9月にかけて、春季エクスカーション下見、同案内、沖縄フィールドワークを実施します。特別な事情がない限り、参加して下さい。

週番号 月 日 テーマ 課題文献(予定)
1  4月18日 イントロダクション―授業の構成と他科目との関係  
2  4月25日 地域をガイドする①―エクスカーション(EX)地の選定  
3  5月9日 地域をガイドする②―EXテーマの選定  
4  5月16日 地域をガイドする③―EXテーマの調査  
5  5月23日 地域をガイドする④―EX地・テーマの地理的表現  
6  5月29-30日 地域をガイドする⑤―EX地の下見  
7  6月4日 地域をガイドする⑥―EXの実施  
8  6月13日 地域を調査する①―沖縄調査テーマの選定  
9  6月20日 地域を調査する②―沖縄調査地の選定  
10  6月27日 地域を調査する③―沖縄調査の準備  
11  7月4日 地域を調査する④―沖縄調査の準備  
12 7月11日(予定) 地域を調査する⑤―沖縄調査事前発表会(遠隔も予定)  
13 9月12-15日 地域を調査する⑥―沖縄現地調査実施  
14 9月12-15日 地域を調査する⑦―沖縄現地調査実施  
15 9月12-15日 地域を調査する⑧―沖縄現地調査実施  

V 成績評価方法と履修上の注意

各週課題(30%)、口頭発表・ガイド(30%)、現地調査報告書(40%)から評価し、評点の60%以上を合格とします。本実習は、ハワイ大学との交流を行う地理学講読演習Ⅰ・Ⅱと緊密に連携していますので、できればこれらの科目も受講して下さい。授業に関する各種通知は学習管理システム(Moodle)および教員ホームページ(polgeog.jp)を通して行います。

VI 教材・課題・参考文献

山﨑孝史編『「政治」を地理学する—政治地理学の方法論』ナカニシヤ出版、2022年。教科書に示されている参考文献のほかは、授業中に指示します。

VII その他

授業に関する疑問点や相談したいことがある場合は、いつでも遠慮なく山崎までご連絡ください。

地理学講読演習Ⅰ 2022(前期)

Political geographies of Pacific islands: Japan-US relations seen from Okinawa and Hawai’i
太平洋島嶼の政治地理―沖縄とハワイからみる日米関係

教室と時間
文学部増築棟L363号室
毎週水曜日、午前10時45分から12時15分

担当教員:山崎孝史(やまざきたかし)
研究室:文学部増築棟L358号室
電話:06-6605-2407 Eメール:yamataka[at]omu.ac.jp
オフィスアワー:事前連絡があれば随時面談可能です。

I 担当教員のプロフィール

1961年京都市生まれ。専門は政治地理学、特に地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄。日米安全保障関係の変化と沖縄の社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(4段)。米国西部にあるコロラド大学ボールダー校地理学部大学院に1998年から2001年まで3年間留学。

II 科目の主題

地理学において、外国語は少なくとも英語の能力を磨くことが求められます。なぜなら、学界の最新の研究動向を知るには英語文献の読解力が前提となり、 将来自らの仕事や研究の成果を国際的に発信していく上で英語が鍵を握るからです。本演習ではこうした観点から英語文献の精読とそれに関する文面・口頭発表から構成されます。特に今年度の演習は、本学における「大学の世界展開力強化事業―日米をつなぐ共創的ソーシャルイノベーター育成プログラム 」(文部科学省助成)の一環として、後期に実施されるCOIL型授業「地理学講読演習Ⅱ」の準備演習として位置付けられます。COILとはCollaborative Online International Learningの略でZoomなどのICTを駆使した海外学生との地球規模のコミュニケーションにより、新しい観点や知識とより深い学びを得る教育方法です。後期にはハワイ大学マノア校地理環境学部と連携した授業構築を予定しており、受講生はハワイ大学生とオンライン上で交流できるようトレーニングを積むことになります。

III 授業の到達目標

本年度前期の講読演習は、”Political geographies of Pacific islands: Japan-US relations seen from Okinawa and Hawai’i(太平洋島嶼の政治地理―沖縄とハワイからみる日米関係 )”というテーマで、後期のCOIL型授業でハワイ大学地理環境学部と共有される教材を中心に、英語文献を全員で翻訳・精読し、かつその感想を英文で書くトレーニングを進めます。学期末には一連の学習成果を英文でまとめ、その内容を英語で口頭発表します。以上を通して後期のハワイ大学との交流に必要な語学スキルを養います。

IV 事前事後学習の内容

各週の翻訳課題や英作文は担当者が事前にGoogleドキュメントにアップロードし、教員のチェックを受けます。発表された成果については事後参照できるようGoogleドライブにアップロードします。授業にはノートパソコンをご持参ください。

V 評価方法

(1) 出席:指定された期日までに各週の課題を提出すること、ならびに討論に当日参加することによって出席とみなします。出席(課題提出)数が2/3以上の受講生を評価対象とします。未提出や提出が遅れた場合は減点しますが、体調と関わる場合は考慮しますので、事前ないし事後にお知らせください。

・オンライン(遠隔)授業について
本演習では状況によって遠隔授業を実施することがあります。その場合はMoodle、Zoomなどのシステムやアプリケーションを活用する予定です。具体的な活用の手順は追ってお知らせしますが、受講予定者は(特に授業時間帯に)インターネットアクセス可能な環境とデバイスの確保を心がけてください。

(2) 各週の課題:オンライン翻訳サイトを用いて、課題文献について、全員で翻訳を進めます。課題項目の翻訳文と疑問点を演習実施日の前々日(各週月曜日)の午後5時までに指定のサイト(Googleドキュメント)にアップロードして下さい(70点)。

(3) 英作文課題:期末の演習課題について短い英文エッセイを作成し、その内容を発表します。オンライン翻訳サイトを利用して英文を作成した上で口頭発表し、コメントに応じて英文を修正の上提出して下さい(30点)。

(4) それぞれの課題の内容を評価し、総得点60点以上を合格とします。

VI 演習内容

各週のテーマは暫定的なもので、ハワイ大との調整を経て、順次更新・確定されます。課題文や課題動画には執筆者・作成者自身の観点が反映されていますので、それを踏まえて読み・聞き取るように心がけてください。必要に応じて課題以外の資料も参照して下さい。

週番号 月 日 テーマ 課題文・動画
1  4月13日  Introduction to the course: How to translate quickly  New Imperialism in “Pacific Ocean” (Wikipedia)
 「太平洋」日本語解説
2  4月20日  Ryukyu Kingdom and Japan: Tributary relations  Tributary relations in “Ryukyu Kingdom” (Wikipedia)
 「琉球王国」日本語解説
3  4月27日  Ryukyu Kingdom and Japan: Ryukyu Disposition  Ryukyu Disposition (Wikipedia)
 「琉球処分」日本語解説
4  5月11日  Integration of Okinawa into Japan

 History of Okinawan language (Wikipedia)
 Dialect card (Wikipedia)
 「沖縄方言論争」日本語解説

5  5月18日  Okinawa before and after the Battle of Okinawa (1)  Movie (学内限定)
 「米軍の沖縄上陸、占領と統治」(論文)
6  5月25日  Okinawa before and after the Battle of Okinawa (2)  Movie (学内限定)
 「米軍の沖縄上陸、占領と統治」(論文)
7  6月1日  Okinawan protest against the US military

 Koza Riot (Wikipedia)
 ETV特集(学内限定)

8  6月8日  Thinking about the local history of post-war Okinawa (on-line interview with Dr. Miki Makiya)  
9  6月15日  The history of Hawaiian Kingdom (1)  Hawaiian Kingdom (Wikipedia)
 「ハワイ王国」日本語解説
10  6月22日  The history of Hawaiian Kingdom (2)  Hawaiian Kingdom (Wikipedia)
 「ハワイ王国」日本語解説
11  6月29日  Annexation of Hawaii islands by the US (1)  How the US stole Hawai’i (YouTube)
 「ハワイ併合」日本語解説
12  7月6日  Annexation of Hawaii islands by the US (2)  How the US stole Hawai’i (YouTube)
 「ハワイ併合」日本語解説
13  7月13日  Translating your question and answering other’s question (1)  山﨑(2021)
14  7月20日  Translating your question and answering other’s question (2)   カジヒロ(2020)
15  7月27日  沖縄フィールドワーク説明会に振り替え  

VI 課題文献・辞書サイト 

具体的な課題文献は順次お知らせしていきますが、読み通すのに時間がかかる学術論文よりも問題を焦点化して執筆される英文の解説ウェブサイト(Wikipediaなど事典サイトや関連組織の公式サイト)や翻訳字幕を利用できる動画を主たる資料とし、翻訳と理解を進めます。翻訳に際してはテキストを一括して機械翻訳するDeepLGoogle翻訳がありますので、これらを併用して翻訳や英作文を進めて下さい。その他の連絡はWebClassほかを通して行います。

VII 辞書サイトとコミュニケーション

演習に関する諸連絡はGoogleドキュメント、Moodle、さらには教員のホームページ「政治地理のページ」を通して行います。演習日以外にも質問などをポストすることができますので、活用してください。翻訳・英作文などで困ったことがあれば遠慮なく教員に相談して下さい。

大学院(オープン):地理学基礎問題研究 2022(前期)

『人間の領域性』を読み解く
Reading and understanding Human Territoriality

時間:毎週火曜日、13時15分から14時45分
教室:オープン参加のため遠隔授業として実施します

担当: 山崎孝史(やまざきたかし)
連絡先: yamataka[at]omu.ac.jp
担当者ホームページ: http://polgeog.jp/

I 担当教員のプロフィール

1961年京都市生まれ。2004年コロラド大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。専門は政治地理学、特に地域社会軍事化、地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄。沖縄の基地所在市町村の変容、日米安全保障関係の変化と社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(四段)。

II 科目の主題

この科目は地理学という学問がどのような課題と方法を持つのかについて、19世紀初頭における近代地理学成立以来の発展過程を振り返りながら、考察することを目的とします。とりわけ1950年代以降の英語圏の地理学における諸スクールの研究分野と基本概念について詳細に検討します。特に今年度の地理学基礎問題研究は2022年2月に明石書店から刊行されたロバート・デヴィッド・サック著(山崎孝史監訳)『人間の領域性―空間を管理する戦略の理論と歴史』を用い、領域性の理論と用法について考察します。授業形式はより多くの参加者を募るために遠隔授業とします。この演習は、大学院生はもちろんどなたでも受講できます。

III 達成目標

サック『人間の領域性』は人文地理学および政治地理学のネオ古典として以下のような価値を持っています(山﨑 2007: 90-91 )。

サックの所論は,画定された空間(領域)を権力やコントロールの基礎とする社会事象を説明するのに有効であり,領土や行政区画など政治領域の問題を具体的に考える上で不可欠である。Progress in Human Geography 誌は 2000 年に本書を古典として評価する記事を掲載しているが,コメンタリーを寄せたのは John Agnew と Anssi Paasi という政治地理学者であった。『人間の領域性』が公刊された1980年代は,英語圏における政治地理学の理論的展開において重要な時期である。ピーター・テイラーが1970年代のウォーラーステインの世界システム論に立脚した政治地理学の理論的視角を確立し,ロバート・ジョンストンらが選挙地理学研究を精緻化させ,そしてジョン・アグ ニューが構造化理論を政治地理学的な場所論に援用したのは,全て1980年代である。 『人間の領域性』は,これら著作と並んで1980年代以降の英語圏政治地理学の発展に対して非常に重要な理論的貢献をなした。その意味で『人間の領域性』は政治地理学を志す者にとっては必読書である。

本演習では、こうした「人間の領域性」の歴史展開と現代的意味を翻訳書の精読を通して理解することを目指します。

IV 授業内容・授業計画

関連文献と翻訳済みの各章を精読し、その内容について受講生間で討議する形で進めます。進行・内容については調整・修正することがあります。

週番号 月 日 テーマ 課題文献
1  4月12日  イントロダクション—演習の構成  
2  4月19日  『人間の領域性』日本語版への序文、はじめに  山﨑(2007)
3  4月26日 『人間の領域性』第1章 領域性の意味  
4  5月10日 『人間の領域性』第2章 領域性の理論  
5  5月17日 『人間の領域性』第3章 歴史的モデル(1)  
6  5月24日 『人間の領域性』第3章 歴史的モデル(2)  
7  5月31日 『人間の領域性』第4章 カトリック教会(1)  
8  6月7日 『人間の領域性』第4章 カトリック教会(2)  
9  6月14日 『人間の領域性』第5章 アメリカの領域的システム(1)  
10  6月21日  『人間の領域性』第5章 アメリカの領域的システム(2)  
11  6月28日 『人間の領域性』第6章 職場(1)  
12  7月5日 『人間の領域性』第6章 職場(2)  
13  7月12日 『人間の領域性』第7章、解題 山﨑(2016)
14  7月19日  日本における領域性の諸研究 準備中
15  7月26日  論評レポート提出  

V 評価方法

  1.  出席・参加:毎週の演習では課題文献の内容について討議します。必ず出席し、積極的に討議に参加してください。出席数が2/3以上の受講生を評価対象とします。
  2.  リーディング課題:各週の課題の簡単な要約とともに論点と疑問点などについてのコメントを添えて、演習の前日(月曜日)午後5時までにSlackにポストしてください。(評価配分60%)
  3. 実例レポート:領域性の理論を用いて、具体的な事例を分析した結果を4000字以上の学術論文の様式に沿ったレポートにして下さい。(評価配分40%)
  4. 評価:評点が全体の60%以上の受講生を合格とします。

VI 教材・課題・参考文献

本演習では、翻訳書を使いますので、生協等でご注文下さい。原著の購入は必要はありませんが、現在は2009年にデジタル復刻されたものが4,300円ほどで入手可能です。授業中に原著参照が必要な個所は、こちらで準備しますが、手元に置いておきたい方はご購入下さい。サックの領域性の理論については拙著『政治・空間・場所―「政治の地理学」に向けて[改訂版]』(ナカニシヤ出版、2013年)にも概説されていますので、お持ちの方はご参照ください。また、以下の文献は演習中に指定することがありますので、ダウンロードしてご利用ください。

山﨑孝史(2007)ロバート・D・サック『人間の領域性―その理論と歴史』 部分翻訳にあたって.空間・社会・地理思想11,pp. 90-91.

山﨑孝史(2016)境界、領域、「領土の罠」―概念の理解のために.地理61-6,pp. 88-96

VII その他

翻訳の疑問点をはじめとする演習の課題について相談したいことがある場合は、遠慮なく山崎までご連絡ください。