「地理学概論Ⅰ」第6週の課題

教科書第5章を読んで以下の問いに答えてください。

①先週説明した「空間」に対して、今週の「場所」はどのような概念かまとめてみよう。

②「空間」と「場所」という見方から同じ対象でも異なってとらえられる例をマンション以外に探し、どう違うのか説明してみよう。

③同じ対象について「空間」的な見方と「場所」的な見方が対立し、政治問題化するような例をテキストを参考に探してみよう。その問題で空間と場所はどのように緊張しているか(どちらの見方が優位か)説明してみよう(これは第3回討論のテーマとも関わります)。

「地理学概論Ⅰ」第5週の課題

教科書第4章を読んで、以下の問いに答えてください。

①空間分析が用いた「空間」概念の特徴をまとめてみよう。

②こうした特徴を持つ「空間」で行動する人間はどのような存在として想定されただろうか。1970年代以降の人文地理学はそうした空間と人間の関係をどうとらえ直そうとしたのだろうか。

③JR杉本町駅とその周辺住宅地区のGoogleマップを見て、街路空間が持つ「秩序」や「歪み」を発見してみよう。そこに誰によってどんな空間が「生産」されてきたかその理由と共に考えてみよう。

「地理学概論Ⅰ」第2回討論のテーマ

「地理学概論Ⅰ」第2回討論(11月27日)のテーマは「辺境の保守化」です。沖縄県八重山諸島(概況)では、2010年以降の尖閣諸島をめぐる中国との緊張関係から、政治的な保守化が進んでいます。保守的な中学校公民教科書の選定や自衛隊配備問題をめぐって各島内の世論も二分されるようになっています。今回のディベートのポジションとして、日本の領土の辺境にある八重山諸島において、世論をリードし、かつ分化させるローカル・メディアとして現地で購読されている以下の二紙を選びました。両紙は対照的な地域観と政治観を示しています。参照サイトを熟読した上で、週レポートの用紙に(どちらかといえば)「支持できるポジションとその理由」(①)そして「支持できないポジションへの反論」(②)を記してください。対立の政治地理学的意味や地政学的背景まで理解したい方は拙稿(山﨑2016、2018)をご参照ください(関連部分は読んでおいたほうが良いです)。①と②を記した用紙を事前に準備してディベートに臨んでください。

参照サイト
ポジションA:八重山日報(仲新城誠)「「国境の危機」とは①~⑪」2013年7月2日~15日
ポジションB:八重山毎日新聞「尖閣の政治利用をやめよ」2018年6月20日
        八重山毎日新聞「軍事拠点が攻撃の呼び水に」2018年8月1日

全体の政治地理学的構図
山﨑孝史(2016)「境界、領域、「領土の罠」―概念の理解のために」地理61-6,pp. 88-96
山﨑孝史(2018)「「地政学」から沖縄県政をとらえる」地理63-3,pp. 38-45

「地理学概論Ⅰ」第1回討論のテーマ

「地理学概論Ⅰ」第1回討論(10月23日)のテーマは「学問と戦争」です。第二次世界大戦前に帝国主義諸国で注目された地政学は、戦後大学ではほとんど研究されなくなりました。そこには学問と戦争との関係に関する反省があったと考えられますが、近年(特に21世紀にはいってから)地政学を冠する書籍は多く出版されるようになり、保守的論壇や民間の保守系シンクタンクでも「地政学」に注目する潮流が確認されます。そこで、これまでの講義と議論の内容も踏まえて、今日の「地政学」をめぐる思想潮流について、地理的知識の軍事・外交政策への貢献を必要とする立場と慎重な立場(拙稿ですみません)の二つのポジションから考えてみたいと思います。双方の参照サイト・文献を熟読した上で、週レポートの用紙に(どちらかといえば)「支持できるポジションとその理由」(①)そして「支持できないポジションへの反論」(②)を記してください。①と②を記した用紙を事前に準備してディベートに臨んでください。それぞれのポジションと関わる参考文献も上げておきますので、お時間のある方は学情センターや公共図書館などで参照してください。

参照文献・サイト
ポジションA:関根大助(2017)「ユーラシアの地政学的環境と日本の安全保障―オフショア・バランサーとしての日本の対中戦略の在り方」海洋安全保障情報特報(笹川平和財団)
ポジションB:山﨑孝史(2017)「地政学の相貌についての覚書」現代思想45-18,pp. 51-59

参考文献
週刊ダイヤモンド「特集「激変世界を解く新地政学」」2017年1月28日号
現代思想「特集 いまなぜ地政学か―新しい世界地図の描き方」2017年9月号

「地理学概論Ⅰ」第3週の課題

指定教科書の第3章を読んで以下の問いに答えて下さい。現代の政治地理学の専門的内容に関わるので少し難しいかもしれませんが、講義でも説明しますので、わかる範囲で答えて下さい。「正解」でなくとも構いません。

①第1章で説明した伝統地政学の環境(地理)決定論的、国家(自国)中心主義的アプローチにはどのような「限界」があったと言えるでしょうか。第3章の内容も踏まえて考えて下さい。

②第3章で説明されているウォーラーステインやテイラーは国際政治の動態をどのようにとらえているでしょうか。 それが伝統地政学のアプローチ(問①)とどのように異なっているかを中心に説明して下さい。

教科書の例を参考に、身の回り(一地方)の身近な(政治的)出来事が、実はグローバル大の政治経済的変化や国政の動静(制度や政策の変化)と密接に結びついているような例がないでしょうか。あれば取り上げて、教科書で解説されている「マルチスケール」という観点から説明して下さい。

「地理学概論I」第2週の課題

指定教科書の第1章を読み、戦争と学問との関わりについて、次の三つの問いに答えて来て下さい。第4週の討論の予習でもあります。

①19世紀にヨーロッパで確立された「政治地理学」は「地政学」へと変容していきますが、どのような背景からどのような性格を持った知識の体系に変化していったのでしょうか。

②ドイツや日本の地政学は第二次世界大戦中にどのように(どこまで)戦争と関わり、どのような結末を迎え、戦後どのように評価されたのでしょうか。

③上記①と②を踏まえて、理系を中心とする大学での軍事応用研究の議論について下記のサイトを参照し、自らの意見を述べて下さい。

NHKクローズアップ現代「“軍事”と大学~岐路に立つ日本の科学者たち~」(2016年9月28日)
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3868/1.html

日本学術会議「軍事的安全保障研究に関する声明」(2017年3月24日)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-s243.pdf

「現代の地理学」小テスト得点照会(第一期)

これまで2回の小テストの結果を知りたい方は、必ずOCUメールを使って以下のTA松井恵麻さんのアドレスに学籍番号と氏名を明記して照会して下さい。

 ● 照会先アドレス:m17lb002@ab.osaka-cu.ac.jp アカウント名は「エム・いち・なな・エル・ビー・ぜろ・ぜろ・に」

 ● 照会期間:12月7日から13日の午後5時まで(厳守)。

 ● OCUメール以外のアカウントからや照会期間を過ぎた照会には応じられません。

第4回のテストの後にもう一度照会期間を設けます。

2017年度前期「地理学概論Ⅰ」期末レポートの返却について

2017年度前期「地理学概論Ⅰ」の採点済み期末レポートは、下記の期間中、山崎研究室(文学部増築棟3階358室)前の返却箱に入れておきます。返却を希望される方は取りに来て下さい。他人のレポートを損壊したり、故意に持ち帰るなどの行為があった場合は、その時点で返却そのものを取りやめますので、マナーにご注意ください。なお、今年度の優秀レポート(1点)はこちらにアップロードしました。

返却期間:2017年9月27日(水)午後1時より10月10日午後3時(火)まで(予定)
返却場所:文学部増築棟(阪和線沿い)3階358室(地図