論文指導

2017年度卒業論文

鈴木 まゆ(すずき まゆ)

食品ロス再流通システムの実態と食支援を通じた連携―フードバンク関西を実例に 論文(pdf 1.2MB)

 飽食と貧困という矛盾への気づきと、私自身の「もったいない」という思いからテーマが決まりました。食品ロスに関する研究は地理学ではほとんどなく、環境問題や福祉といった点から語られることの多いこのテーマを、地理学の中でどういった観点で書き進めるか最後まで悩みましたが、山崎先生に何度も面談をしていただく中で方向性が固まって行きました。先生に話すことは自分自身の頭の整理にもなりました。
 参与観察という形で関わっていると、研究対象としている事象が自分の中で当たり前となってしまい、これを論文の中でどう分かりやすく簡潔に伝えていくか悩みました。ボランティアスタッフ方の生の声をもっと反映するべきでしたし、論文の構成に関してはまだまだ再考の余地があります。また、計画当初に考えていたところまで手を伸ばすことができず残念な部分もありますが、多くの方々の協力のお陰で形にすることができました。興味のあることにボランティアとして関わりながら論文を書けたことは貴重な経験となり、学びの多い日々を過ごすことができました。
 最後になりますが、インタビューを受けてくださった方々、ボランティアスタッフの皆様、ご指導してくださった山崎先生、この論文を書くにあたって関わってくださった皆様、本当にありがとうございました。

私からの一言:参与観察による成果であることに加え、食品ロスとフードバンクとの関係を非経済的な「流通」の問題として地理学的にとらえたユニークな論文です。欲を言えば、自分で集めたデータについてもっと書き込めたらよかったのですが、公務員試験の準備をする中でも自らの問題関心を最後まで見失うことなく、地理学らしい論文に仕上がっています。

中西 広大(なかにし こうた)

大阪市における学校選択制の実態―学校選択制は学校・家庭・地域社会の連携を崩壊させるか 論文(pdf 920KB)

 卒業論文を書くにあたって、山崎先生からの手厚いご指導やご助言をはじめ、聞き取り先の皆様や家族、たくさんの方々に支えていただきました。また執筆中の辛い時期には、地理学コースの仲間たちの存在が大きな助けになりました。本当にありがとうございました。地理学コースに来た時には自分がこのようなテーマで卒業論文を執筆するとは思っていませんでしたが、自分が本当に関心のあることを探究できたのではないかと思っています。 ただ、準備不足でうまくいかないことも多く、研究の準備はどれだけしてもしすぎることはないということを学びました。また、本当に必要な情報を早めに見極め、それを入手するための行動を起こすことの重要性も感じました。この二点を次に向けた反省点としながら、これからの研究に生かしていきたいと思います。

私からの一言:仮説を立ててそれを検証する形で書かれた地理学コースでは稀な論文で、量的な分析と質的な聞き取り調査を組み合わせた方法論的にも特徴のある論文です。そういう点を意識しない論文が多い中で、はっきりとした論証の軸と流れが作れたと思います。統計分析と聞き取りにはさらに踏み込むべき部分が残っているのも事実ですが、後輩にも参考になる論文構成として評価できます。