論文指導

2024年度卒業論文

岡 隆二朗(おか りゅうじろう)

「伝統野菜」の純粋性と地域性―大阪府における取組から

論文非公開(閲覧を希望される場合は山﨑までご連絡ください)

【要旨】本研究では「伝統野菜」がいかにして伝統的であるかという論点に対して、それが繰り返し採種・栽培されてきたという「純粋性」と、それがその地域に関わり深いものであるという「地域性」の、二つの視点からこれを明らかにしていく。考察にあたっては、大阪府における「伝統野菜」への取り組みを例とする。結果として、純粋性も地域性も「伝統野菜」には求められるが、純粋性についてはしばしば曖昧さが存在することが分かった。

【執筆感想】卒論テーマの決定に時間がかかり、そこから聞き取りなどの情報を加えて本格的に筆を進めた。その間も停滞しては気を揉んだ。論文上ではすべて根拠が必要で、世の主張表明が好い加減に見えることが増えるが、己に対してもそうなる。

中谷 卓幹(なかや たくと)☆令和6年度文学部優秀卒業論文

大阪・日本橋におけるサブカルチャー系の店舗の集積とその変容―外国人観光客需要とコロナの影響を中心に

論文 学内限定公開

 卒業論文の執筆にあたり、指導教員であった山﨑先生には深く感謝申し上げます。当初は自身の趣味であるアニメや漫画といったサブカルチャーをテーマに執筆するつもりでしたが、具体的な研究方針を定めるのに苦慮しました。そのような中で、山﨑先生には貴重なご助言をいただき、内容をより学術的な研究へと引き上げていただけたと感じております。
 本研究を通じて、当初の仮定とは異なる地域の実情を明らかにすることができた点は、大変有意義でした。一方で、日本橋という地域に限定した点については悔いが残ります。大阪府全体、特に梅田や心斎橋などを含めた広範な視点から研究を行うことで、より包括的な考察が可能であったのではないかと考えています。

日吉 健人(ひよし けんと)

街路樹がもたらした景観イメージの変容―宮崎市におけるヤシの社会的受容に着目して

論文 学内限定公開

 地元の幹線道路にあるヤシの木は小さいころから見慣れたものでしたが、大学進学を機にこの維持管理が困難になりうるものであるということを認識しました。樹木は成長したり枯死したりするにもかかわらず場所のイメージに付加されやすく、それゆえに様々な問題が生じるものです。こうした対立について扱いたいと思って始めた研究でしたが、どのような視点を導入するかについて悩むことも多く、結果として雑多なものになってしまった面もあります。一方で、現地での聞き取りや文献探しをしながら研究方針を考え、調査したことは私にとって非常に意義のある経験となりました。先生方や教室の院生さんや学部生、研究に協力いただいた皆様には心から感謝いたします。