川﨑 汐璃(かわさき しおり)
大阪市北区堂山町におけるゲイバーの集積と異性愛者との関わり
論文(pdf 1.12MB)学内限定公開
私からの一言:これまで地理学コースのセクシュアリティの研究に取り組んだ4年生はおられたのですが、この論文が卒論としては初めて提出されました。その点で貴重なのですが、単にゲイバー集積の記述にとどまらず、異性愛者の利用者との関係から、ゲイバーの在り方を照らし出そうとした着眼点も評価できると思います。
小島 尚子(こじま なおこ)
基地の街の記憶とその資源化―沖縄市コザ地区の取り組みから
調査にご協力いただいた沖縄市コザの皆様、そしてテーマ決定からご指導いただいた山﨑先生に、心より感謝申し上げます。
就職活動が長引いたことや優柔不断な性格が災いし、調査地の決定がかなり遅くなってしまいました。期間が限られていたことやコロナ禍という情勢もあり、はじめはオンラインのみで調査をするか迷いましたが、山﨑先生に背中を押していただいてなんとか現地調査を実施できました。その結果、予定していなかった人との出会いがあったり、基地の内側を特別に見学させていただいたりして、現地に赴いたことで得られたものは非常に大きかったです。
執筆においては、3回生の演習で決めたテーマである「ダークツーリズム」という枠組みでの考察までたどりつけなかった等、未熟な点が多々ありました。ただ、コザが歩んできた歴史と今に触れたことで、ダークツーリズムを考えることの難しさを体感することができました。また、校正を頼んだ家族から「コザに行ってみたくなった」と言われたとき、書ききってよかったと思いました。私も、コザを再訪したいと思います。
私からの一言:ダークツーリズムの代表ともいえる「平和教育」の意味について考えるなら、おそらく沖縄はベストなフィールドの一つですね。その歴史や地域社会まで深く立ち入るには調査期間が短かったかもしれませんが、まとまりのある論文になったと思います。
野口 和樹(のぐち かずき)
阪神高速大和川線の建設と住民運動―環境正義の視点から
卒論指導教員の山崎先生、高速道路公害から子どもを守る会のK様、阪神高速株式会社のN様、K様をはじめ、卒業論文の執筆に関わってくださったすべての皆さま感謝申し上げます。
教員採用試験や教育実習などもあり、本格的な調査を始められたのが遅くなってしまい、詰めの甘い部分が多々出てきたことは反省すべき点です。調査の対象も、ぼんやりとした研究の進め方も早い段階で決めていたのに、このような状態になったのは本当に私の至らない所だと思います。
聞き取り調査をしている中で感じたことは、すべての人が納得することはやはり難しいということです。阪神高速様が仰っていることも納得できましたし、守る会様が仰っていることも納得できました。卒業論文中では言及はしませんでしたが、堺市役所の方など、その他電話でお話を伺った方の意見も納得できるものがありました。十人十色の意見がある中で、合意形成をしながら建設していくことの難しさを改めて実感しました。
その他にも、普段何気なく走っている高速道路の成り立ち、トンネルの構造など、調査中は本当に学びの多い時間を過ごさせていただきました。卒業論文に関わってくださったすべての皆さまに改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
私から一言:確かに「住民」という括りの問題点やその代表としてどういった組織を想定すべきかなど環境正義論の観点から掘り下げるべき課題もありましたね。それは民主主義の重要な問題でもありますので、教育の現場を通して探求していかれることを期待しています。