論文指導

2007年度卒業論文

北岡 弘康(きたおか ひろやす)

市町村名の定着―湯布院・上越・美方という3地域の事例を通して 論文(pdf)

 今になって漸く卒論が終わったという実感が湧いてくるようになりました。
 もともとこの論文は、もともと興味のあった市町村名で何かできないかというところから始まりました。しかし、いざ卒論構成段階になるとなかなか難しく、「興味がある」ということが逆に客観的に市町村名について考察する妨げにもなりました。また私の場合公務員試験で夏が終わるまでなかなか身動きが取れず苦しい思いをしました。そんな中で、山崎先生から様々なアドバイスを頂きとても心強く思いました。そして、実際フィールドワークの段階では、不慣れな私に多くの人々が親切に応対して頂きました。実に沢山の人々に支えられての論文だったと思います。
 論文自体は、まだまだ不十分なものです。しかし、これからは「一つ論文を書いた。」ということを人生経験のひとつとして己の中に取り込んでいきたいです。

私からの一言:地名の問題は哲学的な内容を含むだけに、考察の対象とすべき要素を切り分けて論ずることが難しいのですが、短い時間ながら三つの地域で調査することによって主張に説得力がでました。こうして興味深い論文が仕上がったのですから、内容がもっと分かるよう論文名をつけてもよかったですね。

田立 あゆみ(ただち あゆみ)

聖地の観光化―沖縄県久高島を事例に 論文(pdf)

 卒論を執筆するにあたり、テーマを設定するのが本当に難しかったです。
「どうせ調査するなら遠くが良い」という非常に曖昧な考えから調査地域を絞り、そこで自分の関心のあることを探りました。結果的には、非常に興味を持って調査に取り組めたので良かったですが、テーマの決定は早いに越したことはないと痛感しました。
 実際に卒論を執筆するに当たっては、聞き取り結果から自分の主張したい結論に繋がる内容のみを抽出していく作業に苦労しました。また、インフォーマントの方々の主観を、客観的に見るということも、非常にエネルギーのいるものでした。
 卒論執筆を振り返ると、自分の力不足に何度も悩まされましたが、部活と両立して何とか書き上げることができたことは、少しは自信に繋がりました。
 最後に、現地でお話を聞かせていただいたインフォーマントの皆様、テーマ設定時から提出間際まで熱心に指導して下さった山崎先生に、心からお礼を申し上げたいです。ありがとうございました。

私からの一言:久高島に二度も出かけた力作です。担い手を失いつつある宗教儀礼を観光化へとどう結びつけるか、あるいは結びつけないかをめぐる「聖地」の葛藤が聞き取りから浮かび上がっています。願わくばもう少し聖地の社会関係から場所性への議論の展開があると良かったかな。

西村 翠(にしむら みどり)

「沖縄移住ブーム」の成り立ちと現状―石垣島を事例として 論文(pdf)

 卒論のテーマを漠然と「沖縄移住」にしようと決めたものの、具体的に論点を絞ることがなかなかできませんでした。ひとつの事象をテーマとしてとりあげるといっても、視点を変えればさまざまな見方ができるということを知りました。
 石垣島での現地調査では準備不足で十分に調査しきれなかった点が反省点ですが、聞き取り調査を通じて資料や書籍からだけでは見えてこなかった実際の移住者の生の声を聞くことができたのは論文執筆に当たってとても参考になりました。移住者一人ひとりの話を通じてその人の考え方や生き方まで垣間見ることができたのも大変興味深かったです。
 快くインタビューに応じてくださった方々、ご指導してくださった山崎先生、本当にありがとうございました。

私からの一言:調査に向けての問題設定はスムーズに行ったのですが、遠方である分インフォーマントの属性に応じた聞き取りの戦略の立て方が難しかったですね。しかし、先行文献をもとに、沖縄本島から先島への観光ブームの推移を移住の指向と結びつけるなど、説得力のある論述が展開できましたね。