論文指導

2004年度卒業論文

川崎 那恵(かわさき ともえ)

「地域」と記憶―新潟水俣病をめぐる運動の可能性 論文

 全学共通教育で公害問題を学んだことをきっかけに、2003年3月新潟水俣病の現地を訪れる機会がありました。そこで出会った人々と継続的に交流させて頂く中で、新潟水俣病のことをテーマになにか書いてみたいと思うようになりました。
 論文をまとめるにあたって、常に頭の中にあった問題意識は、新潟水俣病を伝えるためにはどうしたらよいのかということ、安田町の運動スタイルをその他の社会運動にも応用できるのではないだろうか、応用できるとしたらそれはどのような点なのかということです。後者の点については、今後、運動に参加する人々へのインタビューを行うなどして、より多角的に安田町の運動をとらえることで、さらに深く掘り下げてみたいです。
 本格的な論文というものを初めて書きましたが、論文は論理的に説得的にきちんと証拠を示して書かなければならないという点で、それまで書いてきたレポートとは全く違い、とても苦労しました。しかしながら、なんとか卒論というかたちで残せたことでこのようにHP上に掲載して頂き、一人でも多くの人たちに新潟水俣病のことを伝える機会を得られたことを大変嬉しく思っています。
 現地新潟でお世話になった皆さん、ご指導してくださった山崎先生、本当にありがとうございました。

私からの一言:(ポスト)社会運動における「地域」の意味という難しいテーマで、新潟から北海道まで関係者を追っかけていったエネルギーは賞賛もの。地理らしくないといわれるかもしれませんが、そんなことはこの論文にとって重要なことではありませんね。

佐藤 聡(さとう あきら)

新聞記事における新世界について 論文

 正直なところ、この卒論を完成できるとは思ってもいませんでした。というのも、作成の作業に本格的に取り掛かったのが11月くらいだったからです。また、集めた資料を整理し、実際に文章を書き始めたのは提出日の10日ほど前ということで、書き上げることができたが不思議なくらいです。このような短期間で作成したため、内容はかなり薄いものとなってしまいました。もっと早くに取り掛かっていればと強く感じているところです。なにはともあれ、無事に提出することができて本当によかったと思います。

私からの一言:ご反省の弁の通り、もっと分析できて面白い結果を出せたはず。それがとっても残念ですね。卒論執筆での経験をお仕事にも活かしていただければと思います。

日野 智予(ひの ちよ)

幼い子を抱えた新規移民によるエスニックネットワークと近隣ネットワークの利用―カナダ・トロント、South Parkdale地区の事例 論文

 卒論執筆前年度にボランティアとして関わっていた子育て支援施設の利用者や運営者との交流する中で、移住間もない移民が新しい土地で幼い子を育てる際、元来子育てが抱える問題に加え、言葉の壁や文化の違いから新たな問題を抱えたり、問題解決自体が難しくなる可能性があるのではないかと考えました。そこで、彼らの居住地域においてどのようなサポートやサービスが提供されているのか、またそれらのサービスやサポートに彼らがアクセスする場合、近隣ネットワークとエスニックネットワークのどちらを利用しているのかを明らかにしようと試みました。
 執筆に当たっては、気付いたことや考えたことを逐一書き溜めておいたものの、それらをどのようにつなげていくかということがなかなか定まらず、提出直前まで放置していたために、満足のいくできとはほど遠いものになってしまいました。しかし、ボランティアとして関わっていた時に漠然と感じていたことや聞いたことを資料を通して裏付けることが出来たり、調査を通して、移民の方々それぞれの生き様や価値観を伺うことができたことは、とても興味深く、自分としては得るものが多い研究でした。
 山崎先生は現在子育て、奥様にとっては異文化の中での子育て真っ最中でいらっしゃるので、ご自身の経験も交えてご指導・ご助言を頂けたことが本当に幸運だったと思います。

私からの一言:海外滞在の経験を活かして、短い期間で集中的な海外調査をやるバイタリティは後輩にも見習ってもらいたいですね。テーマの持つ社会性にも配慮できた論文です。ただ、誤植や記入漏れなど仕事の出来栄えに対するセンスも磨いていってください。