奥野 寛央(おくの ひろひさ)
闘犬の観光化と衰退―闘う動物へのまなざしの功罪
テーマ設定を含めるとおよそ1年がかりの作業で頭を悩ませたことも多くありましたが、非常に楽しんで取り組みました。「闘犬」というテーマは早くに決まっていたのですが、テーマ自体が珍しく、先行研究が少ないので、難航が予想され最初は不安が多くありました。しかし、現地の方々や山崎先生をはじめとする地理学教室の先生方、院生や学部生の皆様のご協力で卒業論文を無事に完成させることができました。現地に赴き多くの話を聞いたことや多くの文献を読み卒業論文の方針を考えたこと等の卒業論文執筆の過程は私にとって価値のある経験となりました。協力して頂いた皆様へ心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。
私からの一言:地方の習俗を観光化させることが地方に外部のまなざしを持ち込み、習俗の存続が危ぶまれる事態をもたらすというパラドックスをテーマにした興味深い論考で、地方文化史としての価値もある論文となりました。このように問題設定ははっきりしていたのですが、素材をどう表現するかについていろいろ苦労もありましたね。言葉による表現力が試された論文でもありました。
御前 真琴(おんまえ まこと)
富山市八尾町の観光まちづくりにおけるアートプロジェクトとアーテイストの役割
卒業論文執筆にあたり、担当の山崎先生には、三年生の演習にはじまり、卒論提出まで、大変お世話になりました。何も決まっていない状態で担当をしていただき、調査地やテーマの決定から数多くの助言をいただきました。また、八尾町の「坂のまちアート in やつお」の実行委員会の皆様、そして出展アーティストの皆様には、急なお願いが多かったにも関わらず、快く受け入れていただきました。皆様のご協力なくては、卒業論文を書き上げることができませんでした。ひとりで何もわからない場所に滞在し、知らない人々の中に飛び込むという経験は初めてだったので、戸惑うことも困ることも多々ありましたが、今後の糧となる経験になったと思います。最後になりましたが、数多くの助言を下さった山崎先生、快く調査に協力してくださった八尾町の皆様、本当にありがとうございました。
私からの一言:とりあえず行ってみようという感じで調査を始めたわけですが、先行研究を踏まえた理論的枠組みに基づき、しっかりとした論述ができています。せっかくそうやって完成した成果ですので、あなたの経験談や論文を後輩が参照できればと思います。私はお手伝いしただけかもしれませんが、やはり卒論は一人で書けるものではありません。どんな仕事でも同じことが言えるかと思います。