日時: | 2015年11月14日(土)午前11時00分~午後12時30分 | |
会場: | 大阪大学豊中キャンパス(詳細は後日掲載します) 会場へのアクセス方法は以下を参照。 http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/toyonaka/toyonaka.html |
<発表>
地名の認識論序説――都道府県名と階層関係
<発表者>
成瀬 厚(東京経済大学・非常勤講師)
<要旨>
近年の地名研究は、過去の植民地支配の事例を通じ、地名の命名が有する政治性を強調している。地名は国名から小地名までさまざまなスケールを有し、また行政境界と対応した行政上の名称と、さまざまな目的で使用される愛称を含む地名使用とが存在する。空間スケールの大小に対応する地名は、言語的階層関係と、地理的存在物自体の階層関係との複雑な二重の階層性を有している。こうした地名の有する性質を、固有名論や分類学、認知研究などを導きの糸とし、認識論的に考察することを本発表の目的とする。
地理空間の内包的な階層構造は近代化に伴って形成されたものと考えられ、日本においては明治初期の廃藩置県をはじめとする地方自治制度の改革によって形成された。市町村は度重なる合併により名称を変更させてきたが、都道府県名は明治21(1888)年以降変更されていない。本報告では、明治期の県境と県名の決定の過程を確認することで、都道府県名という地名の有する認識論的な政治性を明らかにする。
<コメント>
畠山輝雄(鳴門教育大学)
<連絡先>
畠山輝雄(鳴門教育大学)
thatakeyama[at]naruto-u.ac.jp