日時: | 2016年6月18日(土)午後2時~5時 | |
会場: | 新大阪丸ビル本館5階511号室 〒533-0033 大阪市東淀川区東中島1-18-5 丸ビル本館 (JR新大阪駅東口より徒歩2分) 会場へのアクセス方法は以下を参照。 http://marubiru-honkan-shinkan.com/access.php |
<テーマ>
文化の政治学は死んだのか?―『戦争と広告』から考える物質性、視覚性、日常生活と政治―
<発表者>
森 正人(三重大学)
<要旨>
1980年代からの英語圏人文地理学においては、文化を静的、価値中立的なものとしてではなく、諸主体のせめぎ合いと調停が織りなす特定の社会的プロセスであるとする文化の政治学が、主に言葉の分析を手がかりとして盛んに議論されるようになった。しかし、2000年代になると言葉や映像を含む社会を構成する諸事物の再帰性や、そのテクノロジーとセキュリティが論じられるようになり、90年代までにイメージされていた「文化の政治学」を現在の英語圏人文地理学で見つけることは困難になっている。文化地理学、そして文化の政治学は社会的役割を終えて死んだのだろうか? 本報告では近年の文化地理学で議論される視覚/物質文化、消費、日常生活の諸実践の政治性について考え、また報告者の一人である森正人氏の近著『戦争と広告』(角川選書)をめぐる議論をとおして、「政治」の地理学の可能性について考えてみたい。
著書の概要と理論的枠組みについての森正人氏による報告に次いで、山﨑孝史氏(著書に『政治・空間・場所―「政治の地理学」にむけて』)と須藤遙子氏(著書に『自衛隊協力映画』)に、それぞれの研究の観点から『戦争と広告』についてのコメントをもらい、そこから議論を深めていきたい。
<ディスカッサント>
山﨑孝史(大阪市立大学)、須藤遙子(筑紫女学園大学)
<参考文献>
森 正人(2016) 『戦争と広告―第二次大戦、日本の戦争広告を読み解く―』KADOKAWA
<連絡先>
北川眞也(三重大学) skitagawa [at] human.mie-u.ac.jp