山崎孝史
2025年度前期授業のシラバスを公開しています(各サムネイルをクリックして下さい)
地理学演習A 2025(前期・山﨑担当分・調整中)
メガイベントの地政学
The Geopolitics of Mega Events
時間:毎週月曜日、10時45分から12時15分
教室:学術情報総合センター5階グループ学習室ほか(文学部増築棟2階 263室)
担当: 山崎孝史(やまざきたかし)
連絡先: yamataka[at]omu.ac.jp
担当者ホームページ: https://polgeog.jp/
I 担当教員のプロフィール
1961年京都市生まれ。2004年コロラド大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。専門は政治地理学、特に地域社会軍事化、地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄。沖縄の基地所在市町村の変容、日米安全保障関係の変化と社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(五段)。
II 授業概要
本演習では、地理学の諸分野における近年の学術雑誌論文の中から、受講生各自が関心ある文献を選び、レジュメを作成して発表し、それに基づき受講生全員で議論します。特に今年度はメガイベントをテーマとし、資本制社会における大規模イベントの政治社会経済的意味と効果を考察するとともに、米国シラキュース大学地理環境学部教授ナタリー・クック教授の来阪講演と合わせて、大阪万博が描く「未来の地政学」について、大阪の近現代史の文脈を踏まえて考えます。
III 達成目標
この授業を通して、「メガイベント」という概念・事象の学術的含意、具体的事例、社会的評価、将来展望について多角的に考察するとともに、大阪万博の開催経緯、構想内容、開催状況、そして社会的影響について実証的かつ批判的に理解することを目指します。また、受講生は、クック教授の講演会に出席し、米国シラキュース大学地理環境学部メンバーとともに万博会場を訪問し、飯田ホールディングス・大学共同展示館で関係者へのインタビューにも参加します。
IV 授業内容・授業計画(調整中)
課題文献を精読し、その内容について受講生間で討議する形で進めます。進行・内容については調整・修正することがあります。
週番号 | 月 日 | テーマ | 課題文献 |
---|---|---|---|
1 | 4月14日 | イントロダクション—授業の構成 | |
2 | 4月21日 | シリーズ1:メガイベントとは何か(1) | ミュラー(2022) |
3 | 4月28日 | シリーズ1:メガイベントとは何か(2)(オンライン?) | |
4 | 5月12日 | シリーズ1:メガイベントとは何か(3) | |
5 | 5月19日 | シリーズ1:メガイベントとは何か(4) | |
6 | 5月24日 | クック教授講演会 | 丸山(2020) |
7 | 5月26日 | 万博フィールドワーク | 斎藤(2021) |
– | 6月2日 | 振替休講 | |
8 | 6月9日 | シリーズ2:メガイベントと都市(1) | 熊本(2020) |
9 | 6月16日 | シリーズ2:メガイベントと都市(2) | |
10 | 6月23日 | シリーズ2:メガイベントと都市(3) | |
11 | 6月30日 | シリーズ2:メガイベントと都市(4) | |
12 | 7月7日 | シリーズ3:メガイベントのレガシー(1) | 鈴木(2021) |
13 | 7月14日 | シリーズ3:メガイベントのレガシー(2) | |
14 | 7月21日 | シリーズ3:メガイベントのレガシー(3)(オンライン?) | |
15 | 7月28日 | シリーズ3:メガイベントのレガシー(4) |
V 評価方法
(1) 出席・参加
演習に参加(発表・質問・発言)することによって出席とみなします。出席数が2/3以上の受講生を評価対象とします。欠席や課題の未提出・遅れについては減点しますが、体調と関わる場合は考慮しますので、事前ないし事後にお知らせください。
(2) 予習リーディングについてのコメント投稿
各シリーズの初回にはテーマの解説を行いますが、その際の予習リーディング課題についての感想や疑問点(400字程度)をGoogleドキュメントを通して投稿してください。(評価配分40点)
(3) 課題プレゼンテーション
平均3週間に1回の発表が義務付けられます。各シリーズで与えられた課題について受講生の議論をリードする発表を行います。(評価配分60点)
(4) 総得点60点以上を合格とします。
VI 教材・課題・参考文献
本演習の共通課題文献は上の表で示されているリンクから入手してください。各受講生の課題の対象となる参考文献はこちらのリストから選んでください(このリストにないものも選ぶことが可能です)。
VII その他
演習の課題や文献選定について相談したいことがある場合は、遠慮なく山崎までご連絡ください。
大学院:地理学基礎問題研究 2025(前期・調整中)
メガイベントの地政学
The Geopolitics of Mega Events
時間:毎週火曜日、13時15分から14時45分
教室:文学部増築棟2階 263室
担当: 山崎孝史(やまざきたかし)
連絡先: yamataka[at]omu.ac.jp
担当者ホームページ: https://polgeog.jp/
I 担当教員のプロフィール
1961年京都市生まれ。2004年コロラド大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。専門は政治地理学、特に地域社会軍事化、地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄。沖縄の基地所在市町村の変容、日米安全保障関係の変化と社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(五段)。
II 科目の主題
この科目は地理学という学問がどのような課題と方法を持つのかについて、19世紀初頭における近代地理学成立以来の発展過程を振り返りながら、考察することを目的とします。とりわけ1950年代以降の英語圏の地理学における諸スクールの研究分野と基本概念について詳細に検討します。特に今年度の地理学基礎問題研究はメガイベントをテーマとし、資本制社会における大規模イベントの政治社会経済的意味と効果を考察するとともに、米国シラキュース大学地理環境学部教授ナタリー・クック教授の来阪講演と合わせて、大阪万博が描く「未来の地政学」について、大阪という都市の地理的文脈を踏まえて議論します。
III 達成目標
この授業を通して、「メガイベント」という概念・事象の学術的含意、具体的事例、社会的評価、将来展望について多角的に考察するとともに、大阪万博の開催経緯、構想内容、開催状況、そして社会的影響について実証的かつ批判的に理解することを目指します。また、受講生は、クック教授の講演会に出席するとともに、米国シラキュース大学地理環境学部メンバーとともに万博会場を訪問し、飯田ホールディングス・大学共同展示館での関係者インタビューに参加することが奨励されます。
IV 授業内容・授業計画(調整中)
課題文献を精読し、その内容について受講生間で討議する形で進めます。進行・内容については調整・修正することがあります。
週番号 | 月 日 | テーマ | 課題文献 |
---|---|---|---|
1 | 4月8日 | イントロダクション—授業の構成 | |
2 | 4月15日 | メガイベント研究とオリンピック研究 | 成瀬(2020) |
3 | 4月22日 | メガイベントの定義 | Müller (2015) |
4 | 5月13日 | メガイベント症候群 | ミュラー(2022a) |
5 | 5月20日 | メガイベントのパラドックス | ミュラー(2022b) |
6 | 5月24日 | クック教授講演会 | Koch (2023) |
7 | 5月26日 | 万博フィールドワーク | 斎藤(2021) |
– | 5月27日 | 振替休講 | |
8 | 6月3日 | メガイベントと都市計画 | 荒又(2020) |
9 | 6月10日 | メガイベントと観光 | 宮川ほか(2019) |
10 | 6月17日 | メガイベントと都市政治 | 丸山(2020) |
11 | 6月24日 | メガイベントと文化政治学 | 新(2020) |
12 | 7月1日 | スポーツ・メガイベント | 向山(2019) |
13 | 7月8日 | メガイベントとレガシー | 半澤(2018) |
14 | 7月15日 | メガイベントと都市更新 | 中川(2014) |
15 | 7月22日 | メガイベントを地理学はどうとらえうるか | 各自発表 |
16 | 7月29日 | レポート締切日 |
V 評価方法
- 出席・参加:毎週の演習では課題文献の内容について討議します。必ず出席し、積極的に討議に参加してください。出席数が2/3以上の受講生を評価対象とします。
- リーディング課題:各週の課題の簡単な要約とともに論点と疑問点などについてのコメントを添えて、演習の前日(月曜日)午後5時までに指定されたGoogleドキュメントにポストしてください。(評価配分60%)
- 期末レポート:授業で用いた課題文献以外の文献3本を選び、課題文献と本演習での内容を踏まえた評論レポートを作成してください(学術論文の書式に沿って、6,000字程度)(評価配分40%)。
- 評価:評点が全体の60%以上の受講生を合格とします。
VI 教材・課題・参考文献
本演習の課題文献は全てオンラインで入手可能です(一部は学内限定)。参考文献についてはこちらのリスト(学部生用和文文献)をご覧ください。
VII その他
演習の課題や期末レポートのテーマについて相談したいことがある場合は、遠慮なく山崎までご連絡ください。
地理学講読演習A 2025(前期・調整中)
万国博覧会と日本:未来に向けた日本の投影
The World Exposition and Japan: The Projection of Japan towards the Future
教室と時間
対面授業 文学部増築棟363室
毎週月曜日、13時15分から14時45分
担当教員:山崎孝史(やまざきたかし)
研究室:文学部増築棟358号室
電話:06-6605-2407 Eメール:yamataka[at]omu.ac.jp
オフィスアワー:事前連絡があれば随時面談可能です。
I 担当教員のプロフィール
1961年京都市生まれ。専門は政治地理学、特に地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄。日米安全保障関係の変化と沖縄の社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(5段)。米国西部にあるコロラド大学ボールダー校地理学部大学院に1998年から2001年まで3年間留学。
II 授業概要
本年度前期の講読演習は、シラキュース大学地理環境学部の大阪万博フィールドワークと連携する形で、シラキュース大学の授業でも用いられるリーディング課題の一部を精読します。シラキュース大との大阪万博共同フィールドワークは5月26日(月)終日で実施します(菅野先生担当の地理学演習は休講扱いとなります)。地理学コース3年生ほかで参加を希望される場合は、入場券の購入や他の授業出席との調整が必要になりますので、それが可能な場合はご参加ください(他コース生の参加は必須ではなく、成績とは直接関係しません)。また、5月24日(土)に大阪公立大学文化交流センター(大阪駅前第2ビル6階)で実施されるシラキュース大のクック先生の講演会は出席が奨励されます。
III 到達目標
本年度前期の講読演習は、大阪万国博覧会の開催に合わせて、日本における博覧会イベントの政治地理的意味について、英語文献から理解していきます。また、米国シラキュース大学の地理学専攻生を大阪に迎え、フィールドワークの共同実施を通して国際的な研究交流を図ります。この授業によって、英語読解による地理学的な視角や知識が習得できるようになり、大阪、日本、そして世界からの万博へのまなざしを理解するとともに、国際交流を介して、国際的な視角と感性を磨くことができるでしょう。
IV 演習の構成と評価
(1) 出席:指定された期日までに各週の課題を提出し、他の人の課題にコメントすること、そして当日に授業参加することによって出席とみなします。出席(課題提出)数が2/3以上の受講生を評価対象とします。未提出や提出が遅れた場合は減点しますが、やむを得ない事由のある場合は考慮しますので、事前ないし事後にお知らせください。
(2) 各週の課題:オンライン翻訳サイト(DeepL)を用いて、翻訳課題箇所について、全員で翻訳を進めます。課題箇所の翻訳文と疑問点を演習実施日の前々日(各週土曜日)の午後5時までに指定のサイト(Googleドキュメント)にアップロードして下さい。また演習実施日の前日に翻訳担当以外の箇所についてもコメントを付して下さい(70点)。
(3) 完成された翻訳に対するコメント:二つのテーマと関わる全体討論を実施します。各テーマの完訳を参照し、各自の意見をGoogleフォームなどを使って収集し、討論の素材とします(30点)。
(4) 以上の課題の内容を評価し、総得点60点以上を合格とします。
IV 演習内容(調整中)
演習の日程や課題内容は状況に応じて変わることがありますので、ご了解ください。6月2日は5月26日の振替休日になりますが、菅野先生の地理学演習が本授業の時間帯を含む2コマ連続で実施される予定です。
週番号 | 月 日 | テーマ | 課題文献 |
1 | 4月14日 | Introduction: What is the World Exposition? | 東田(2011) |
2 | 4月21日 | Modernity on Display: The 1940 Grand International Exposition of Japan (1) | Kargon et al (2015), Ch. 5 |
3 | 4月28日 | Modernity on Display: The 1940 Grand International Exposition of Japan (2) (Possibly online class) | Kargon et al (2015), Ch. 5 |
4 | 5月12日 | Modernity on Display: The 1940 Grand International Exposition of Japan (3) | Kargon et al (2015), Ch. 5 |
5 | 5月19日 | Preparation for fieldwork | 西山(2011) |
6 | 5月24日 | Lecture by Dr. Natalie Koch from Syracuse University | 丸山(2020) |
7 | 5月26日 | Fieldwork at the EXPO site | 斎藤(2021) |
– | 6月2日 | No class (Prof. Sugano’s class) | |
8 | 6月9日 | Modernity on Display: The 1940 Grand International Exposition of Japan (4) | Kargon et al (2015), Ch. 5 |
9 | 6月16日 | Discussion on the translation | Kargon et al (2015), Ch. 5 |
10 | 6月23日 | Performing Japan in the ‘World of Tomorrow’ (1) | Peterson (2020). Ch. 4 |
11 | 6月30日 | Performing Japan in the ‘World of Tomorrow’ (2) | Peterson (2020). Ch. 4 |
12 | 7月7日 | Performing Japan in the ‘World of Tomorrow’ (3) | Peterson (2020). Ch. 4 |
13 | 7月14日 | Performing Japan in the ‘World of Tomorrow’ (3) | Peterson (2020). Ch. 4 |
14 | 7月21日 | Online assignment (no class) | 小川(2024) |
15 | 7月28日 | Discussion on the translation | Peterson (2020). Ch. 4 |
V テキスト・課題文献
Kargon, R.H., Fiss, K., Low, M., and Molella, A.P. (2015) World’s Fairs on the Eve of War: Science, Technology, and Modernity, 1937–1942. University of Pittsburgh Press.
Peterson, W. (2020) Asian Self-Representation at World’s Fairs. Amsterdam University Press.
万博を含むメガイベントの諸研究についてはこちらの参考文献リストをご参照ください。
VI 辞書サイトとコミュニケーション
翻訳に際してはテキストを一括して機械翻訳するDeepLをはじめとするAI翻訳サイトがありますので、これらを効果的に活用して翻訳を進めて下さい。活用の仕方はGoogleドキュメントを通してお知らせします。
演習に関する諸連絡はGoogleドキュメントやMoodleを通して行います。演習日以外にも質問などをポストすることができますので、活用してください。翻訳などで困ったことがあれば遠慮なく教員に相談して下さい。
現代地理学入門 2025(前期)
現代地理学入門―人間の領域性を考える
時間と教室:
火曜日2限(10:45-12:15)全学共通教育棟1階813号室(地図参照)
対面授業
担当教員:山﨑孝史(やまざき・たかし)
研究室:文学部新棟358号室
オフィスアワー:事前連絡の上、随時
Eメール:yamataka[at]omu.ac.jp([at]は@に)
電話:06-6605-2407(研究室)
ティーチング・アシスタント:村上那由汰(むらかみ・なゆた)
I 担当教員の自己紹介
京都市生まれ。専門は政治地理学、特に地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄、日米安保体制の変化と沖縄の社会運動と投票行動との関わりや、復帰前の沖縄における米軍統治の実態などについて研究中。特技は40年以上続けている合気道(五段、大阪公立大学合氣道部顧問)。
II 授業概要
現代の地理学は、都市と農村、景観、食糧供給、工業立地、流通システム、政治、観光、文化、地図、地理情報、公共政策・環境問題といった多面的な問題を学ぶことのできる分野である。本講義は大きく「地域の見方」、「経済活動の地理的特徴」、「地理的想像力」、「歴史地図の読解」、「地理学と現代社会との接点」の5部から構成され、対象によって分類される地理学の視角と分析方法についてわかりやすく講述する。地理学を通して、過去から未来、そして地域から世界へと、私たちの思考を拡げていく。
III 授業の到達目標
各回の講義と課題の事前・事後学習を通して各週のテーマ、すなわち主要な地理学分野に関わる主題について、地理学的な見地から理解できるようになることを目指す。その理解の到達度については、各週課題の事後確認によって進捗を確認するとともに、小テストによって各段階での到達度を確認する。
IV 授業内容・授業計画
授業回 | 月 日 | テーマ | テキストの章 | 資料(学内限定) |
---|---|---|---|---|
1 | 4月8日 | イントロダクション(講義ガイダンス) | はじめに | |
2 | 4月15日 | 地域の見方―領域性の意味と理論(1) | 第1章 | |
3 | 4月22日 | 地域の見方―領域性の意味と理論(2) | 第1~2章 | |
4 | 5月13日 | 経済活動の歴史地理―領域性のモデル(1) | 第3章 | |
5 | 5月20日 | 経済活動の歴史地理―領域性のモデル(2) | 第3章 | |
6 | 5月27日 | 第一回小テスト | 第1~3章 | 解答例 |
7 | 6月3日 | 宗教の地理的想像力―カトリック教会(1) | 第4章 | |
8 | 6月10日 | 宗教の地理的想像力―カトリック教会(2) | 第4章 | |
9 | 6月17日 | 米国の歴史地図―領域的システム(1) | 第5章 | |
10 | 6月24日 | 米国の歴史地図―領域的システム(2) | 第5章 | |
11 | 7月1日 | 第二回小テスト | 第4~5章 | 解答例 |
12 | 7月8日 | 現代社会との接点―職場の領域性(1) | 第6章 | |
13 | 7月15日 | 現代社会との接点―職場の領域性(2) | 第6章 | |
14 | 7月22日 | 現代社会との接点―職場の領域性(3) | 第6章 | |
15 | 7月29日 | 総括―領域性の事例 | 第7章、解題 | |
16 | 8月5日 | 期末テスト | 第6章~解題 | 解答例 |
V 成績評価方法
原則としてテスト日を含む授業回数の2/3以上の出席者を成績評価の対象とします(Moodleに記録されたデータを用います)。到達目標の達成度については、第一回・第二回小テストについては教科書で説明される理論の理解の程度、期末テストについては理論の応用力が試されます。三回のテストの合計点100点満点に対して60点以上得点して、人間の領域性の理論を理解し、それを現代社会に応用して考えることができると判断された場合に合格とします。
VI 履修上の注意
講義ホームページ(https://polgeog.jp/)と学習管理システム(Moodle)を用いて講義を進めますので、講義スライド等の必要な情報を各媒体から入手し、講義に臨んでください。
VII 教科書
ロバート・サック(山﨑孝史監訳)『人間の領域性―空間を管理する戦略の理論と歴史』明石書店、2022年(授業は本書に忠実に沿って進め、試験の際も持ち込めますが、購入は任意とします)
2024年度卒業論文
岡 隆二朗(おか りゅうじろう)
「伝統野菜」の純粋性と地域性―大阪府における取組から
論文非公開(閲覧を希望される場合は山﨑までご連絡ください)
要旨:本研究では「伝統野菜」がいかにして伝統的であるかという論点に対して、それが繰り返し採種・栽培されてきたという「純粋性」と、それがその地域に関わり深いものであるという「地域性」の、二つの視点からこれを明らかにしていく。考察にあたっては、大阪府における「伝統野菜」への取り組みを例とする。結果として、純粋性も地域性も「伝統野菜」には求められるが、純粋性についてはしばしば曖昧さが存在することが分かった。
コメント:卒論テーマの決定に時間がかかり、そこから聞き取りなどの情報を加えて本格的に筆を進めた。その間も停滞しては気を揉んだ。論文上ではすべて根拠が必要で、世の主張表明が好い加減に見えることが増えるが、己に対してもそうなる。
私からの一言:伝統的と見なされる野菜をその品種としての純粋性と産地としての地域性という二つの側面から把握し、伝統の真正性や構築性を具体的に明らかにした興味深い論考です。文献その他の情報を中心とする考察でしたが、もう少し生産と消費の側面からの分析もあると一層よかったと思います。
中谷 卓幹(なかや たくと)☆令和6年度文学部優秀卒業論文
大阪・日本橋におけるサブカルチャー系の店舗の集積とその変容―外国人観光客需要とコロナの影響を中心に
論文(pdf 3.05MB)学内限定公開
卒業論文の執筆にあたり、指導教員であった山﨑先生には深く感謝申し上げます。当初は自身の趣味であるアニメや漫画といったサブカルチャーをテーマに執筆するつもりでしたが、具体的な研究方針を定めるのに苦慮しました。そのような中で、山﨑先生には貴重なご助言をいただき、内容をより学術的な研究へと引き上げていただけたと感じております。
本研究を通じて、当初の仮定とは異なる地域の実情を明らかにすることができた点は、大変有意義でした。一方で、日本橋という地域に限定した点については悔いが残ります。大阪府全体、特に梅田や心斎橋などを含めた広範な視点から研究を行うことで、より包括的な考察が可能であったのではないかと考えています。
私からの一言:単なる趣味にとどまらず、商店街の変容をめぐる詳細な実態分析に基づいた力作です。日本橋の現場に何度も足を運んで観察・収集したオリジナルなデータを基に、多くの主題図を作成するなど、非常に実証的な方法で分析されており、説得力もありました。その点で今年度の優秀論文にふさわしいと評価されました。
日吉 健人(ひよし けんと)
街路樹がもたらした景観イメージの変容―宮崎市におけるヤシの社会的受容に着目して
論文(pdf 2.42MB)学内限定公開
地元の幹線道路にあるヤシの木は小さいころから見慣れたものでしたが、大学進学を機にこの維持管理が困難になりうるものであるということを認識しました。樹木は成長したり枯死したりするにもかかわらず場所のイメージに付加されやすく、それゆえに様々な問題が生じるものです。こうした対立について扱いたいと思って始めた研究でしたが、どのような視点を導入するかについて悩むことも多く、結果として雑多なものになってしまった面もあります。一方で、現地での聞き取りや文献探しをしながら研究方針を考え、調査したことは私にとって非常に意義のある経験となりました。先生方や教室の院生さんや学部生、研究に協力いただいた皆様には心から感謝いたします。
私からの一言:街路樹という非人間の対象の社会的役割やその変化に注目した大変興味深い論考です。自生しない街路樹によって形成された地域イメージが、植栽や植え替えなどの管理プロセスにどう影響したかが詳述されています。当初、管理の考察に重点が置かれた分、受容の部分の考察が少し弱かったかもしれません。
【続報】大阪公立大学情報基盤システムの障害について
2024年10月14日(月・祝)9時20分頃から大学の情報基盤システムの障害が発生しています。まだ原因調査中で復旧していませんが、復旧の状況に応じて、課題の提出や資料の提供方法についてお知らせします。課題提出予定者は17時までに、資料をダウンロードしたい方は22時までにシステムの復旧の有無について確認をお願いします。続報はこちらでもお知らせし、必要に応じてこのウェブサイトから資料を提供するなどの措置を取りたいと思います。
続報:11時過ぎに大学ウェブサイトにはアクセスできるようになっています。
【続報】大阪公立大学情報基盤システムの障害について
2024年10月14日(月・祝)9時20分頃から大学の情報基盤システムの障害が発生しています。まだ原因調査中で復旧していませんが、復旧の状況に応じて、課題の提出や資料の提供方法についてお知らせします。課題提出予定者は17時までに、資料をダウンロードしたい方は22時までにシステムの復旧の有無について確認をお願いします。続報はこちらでもお知らせし、必要に応じてこのウェブサイトから資料を提供するなどの措置を取りたいと思います。
続報:11時過ぎに大学ウェブサイトにはアクセスできるようになっています。