現代地理学入門 2024(前期)

現代地理学入門―人間の領域性を考える

時間と教室:
火曜日2限(10:45-12:15)全学共通教育棟4階840号室(地図参照) 
対面授業

担当教員:山﨑孝史(やまざき・たかし)
研究室:文学部新棟358号室
オフィスアワー:事前連絡の上、随時
Eメール:yamataka[at]omu.ac.jp([at]は@に)
電話:06-6605-2407(研究室)

ティーチング・アシスタント:村上那由汰(むらかみ・なゆた)

I 担当教員の自己紹介

京都市生まれ。専門は政治地理学、特に地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄、日米安保体制の変化と沖縄の社会運動と投票行動との関わりや、復帰前の沖縄における米軍統治の実態などについて研究中。特技は40年以上続けている合気道(五段、大阪公立大学合氣道部顧問)。

II 授業概要

現代の地理学は、都市と農村、景観、食糧供給、工業立地、流通システム、政治、観光、文化、地図、地理情報、公共政策・環境問題といった多面的な問題を学ぶことのできる分野である。本講義は大きく「地域の見方」、「経済活動の地理的特徴」、「地理的想像力」、「歴史地図の読解」、「地理学と現代社会との接点」の5部から構成され、対象によって分類される地理学の視角と分析方法についてわかりやすく講述する。地理学を通して、過去から未来、そして地域から世界へと、私たちの思考を拡げていく。

III 授業の到達目標

各回の講義と課題の事前・事後学習を通して各週のテーマ、すなわち主要な地理学分野に関わる主題について、地理学的な見地から理解できるようになることを目指す。その理解の到達度については、各週課題の事後確認によって進捗を確認するとともに、小テストによって各段階での到達度を確認する。

IV 授業内容・授業計画

授業回 月 日 テーマ テキストの章 資料(学内限定)
1 4月9日 イントロダクション(講義ガイダンス) はじめに PDF
2 4月16日 地域の見方―領域性の意味と理論(1)オンデマンド 第1章 PDF
3 4月23日 地域の見方―領域性の意味と理論(2) 第1~2章 PDF
4 5月7日 経済活動の歴史地理―領域性のモデル(1) 第3章 PDF
5 5月14日 経済活動の歴史地理―領域性のモデル(2) 第3章 PDF
6 5月21日 第一回小テスト 第1~3章 解答例
7 5月28日 宗教の地理的想像力―カトリック教会(1) 第4章 PDF
8 6月4日 宗教の地理的想像力―カトリック教会(2) 第4章 PDF
9 6月11日 米国の歴史地図―領域的システム(1) 第5章 PDF
10 6月18日 米国の歴史地図―領域的システム(2) 第5章 PDF
11 6月25日 第二回小テスト 第4~5章 解答例
12 7月2日 現代社会との接点―職場の領域性(1) 第6章 PDF
13 7月9日 現代社会との接点―職場の領域性(2) 第6章 PDF
14 7月16日 現代社会との接点―職場の領域性(3) 第6章 PDF
15 7月23日 総括―領域性の事例 第7章、解題 PDF
16 7月30日 期末テスト 第6章~解題 解答例

V 成績評価方法

原則としてテスト日を含む授業回数の2/3以上の出席者を成績評価の対象とします(Moodleに記録されたデータを用います)。到達目標の達成度については、第一回・第二回小テストについては教科書で説明される理論の理解の程度、期末テストについては理論の応用力が試されます。三回のテストの合計点100点満点に対して60点以上得点して、人間の領域性の理論を理解し、それを現代社会に応用して考えることができると判断された場合に合格とします。

VI 履修上の注意

講義ホームページ(https://polgeog.jp/)と学習管理システム(Moodle)を用いて講義を進めますので、講義スライド等の必要な情報を各媒体から入手し、講義に臨んでください。

VII 教科書

ロバート・サック(山﨑孝史監訳)『人間の領域性―空間を管理する戦略の理論と歴史』明石書店、2022年(授業は本書に忠実に沿って進め、試験の際も持ち込めますが、購入は任意とします)

地理学講読演習A 2024(前期)

英語を通して人文地理学を概観する―ジェンダー・障がい・環境の観点から

教室と時間
対面授業 文学部増築棟363室
毎週月曜日、午前10時45分から午後12時15分

担当教員:山崎孝史(やまざきたかし)
研究室:文学部増築棟358号室
電話:06-6605-2407 Eメール:yamataka[at]omu.ac.jp
オフィスアワー:事前連絡があれば随時面談可能です。

I 担当教員のプロフィール

1961年京都市生まれ。専門は政治地理学、特に地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄。日米安全保障関係の変化と沖縄の社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(5段)。米国西部にあるコロラド大学ボールダー校地理学部大学院に1998年から2001年まで3年間留学。

II 演習概要

本年度前期の講読演習は、Stentor Danielson (Slippery Rock University) が作成したオンライン人文地理学事典 Overview of Human Geography (以下OHG)を用いて、「ジェンダーとセクシュアリティ」、「障がい」、「環境正義」に係る項目を精読していきます。

III 演習の構成と評価

(1) 出席:指定された期日までに各週の課題を提出すること、ならびに討論に当日参加することによって出席とみなします。出席(課題提出)数が2/3以上の受講生を評価対象とします。未提出や提出が遅れた場合は減点しますが、体調と関わる場合は考慮しますので、事前ないし事後にお知らせください。

(2) 各週の課題:オンライン翻訳サイトを用いて、OHGから選ばれた課題項目について、全員で翻訳を進めます。課題項目の翻訳文と疑問点を演習実施日の前々日(各週土曜日)の午後5時までに指定のサイト(Googleドキュメント)にアップロードして下さい。また演習実施日の前日に翻訳担当以外の箇所についてもコメントを付して下さい(70点)。

(3) 討論用コメント:三つのテーマと関わる全体討論を実施します。各テーマの完訳を参照し、各自の意見をGoogleフォームなどを使って収集し、討論の素材とします(30点)。

(4) 以上の課題の内容を評価し、総得点60点以上を合格とします。

IV 演習内容

演習の日程や課題内容は状況に応じて変わることがありますので、ご了解ください。

週番号 月 日 テーマ 課題節
1  4月8日  イントロダクション  
2  4月15日  Gender and Sexuality (休講課題)  What is Gender?
3  4月22日  Gender and Sexuality(スウ先生講演会)  The Geography of Gender 
4  5月13日  Gender and Sexuality  Gendered Spaces 
5  5月20日  Gender and Sexuality  Sexuality and Sexualized Spaces
6  5月27日  テーマ討論  
7  6月3日  Disability   Identity
8  6月10日  Disability   Identity
9  6月17日  Disability   The Social Model of Disability
10  6月24日  Disability   The Geography of Disability
11  7月1日  テーマ討論  
12  7月8日  Environmental Justice  The Unavoidability of the Justice Question
13  7月15日  Environmental Justice  Substantive vs Procedural Justice, Principles of Justice
14  7月22日  Environmental Justice  Principles of Justice
15  7月29日  Environmental Justice  Considerability
16  8月5日  テーマ討論  

V テキト・課題文献 

Stentor Danielson (Slippery Rock University) 著 Overview of Human Geographyのサイトは以下です。
http://debitage.net/humangeography/index.html

VI 辞書サイトとコミュニケーション

翻訳に際してはテキストを一括して機械翻訳するDeepLGoogle翻訳がありますので、これらを併用して翻訳を進めて下さい。活用の仕方はGoogleドキュメントを通してお知らせします。

演習に関する諸連絡はGoogleドキュメントやMoodleを通して行います。演習日以外にも質問などをポストすることができますので、活用してください。翻訳などで困ったことがあれば遠慮なく教員に相談して下さい。

地理学講読演習Ⅱ 2023(後期)

英語を通して人文地理学を概観する―人種・ジェンダー・環境の観点から

教室と時間
対面授業 文学部増築棟363室
毎週水曜日、午前10時45分から12時15分

担当教員:山崎孝史(やまざきたかし)
研究室:文学部増築棟358号室
電話:06-6605-2407 Eメール:yamataka[at]omu.ac.jp
オフィスアワー:事前連絡があれば随時面談可能です。

I 担当教員のプロフィール

1961年京都市生まれ。専門は政治地理学、特に地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄。日米安全保障関係の変化と沖縄の社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(4段)。米国西部にあるコロラド大学ボールダー校地理学部大学院に1998年から2001年まで3年間留学。

II 演習概要

本年度前期の講読演習は、Stentor Danielson (Slippery Rock University) が作成したオンライン人文地理学事典 Overview of Human Geography (以下OHG)を用いて、「人種とエスニシティ」、「ジェンダーとセクシュアリティ」、「環境正義」に係る項目を精読していきます。

III 演習の構成と評価

(1) 出席:指定された期日までに各週の課題を提出すること、ならびに討論に当日参加することによって出席とみなします。出席(課題提出)数が2/3以上の受講生を評価対象とします。未提出や提出が遅れた場合は減点しますが、体調と関わる場合は考慮しますので、事前ないし事後にお知らせください。

(2) 各週の課題:オンライン翻訳サイトを用いて、OHGから選ばれた課題項目について、全員で翻訳を進めます。課題項目の翻訳文と疑問点を演習実施日の前々日(各週月曜日)の午後5時までに指定のサイト(Googleドキュメント)にアップロードして下さい(70点)。

(3) 討論用完訳レポート:三つのテーマと関わる全体討論を実施します。また、各テーマの完訳文を完成し、最も議論したい論点や疑問点を一つ示したレポートを討論前々日(月曜日午後5時)までに提出して下さい(30点)。

(4) 以上の課題の内容を評価し、総得点60点以上を合格とします。

IV 演習内容

演習の日程や課題内容は状況に応じて変わることがありますので、ご了解ください。

週番号 月 日 テーマ 課題節
1  9月27日  イントロダクション  
2  10月4日  Race and Ethnicity  Does race exist?
3  10月11日  Race and Ethnicity  “Race” vs. “Ethnicity”The Geographical Origins of Race
4  10月18日  Race and Ethnicity  The Geographical Origins of Race, The Geography of Race
5  10月25日  Race and Ethnicity  The Geography of Race
6  11月 1日  テーマ討論  
7  11月8日  Gender and Sexuality  What is Gender?
8  11月15日  Gender and Sexuality  The Geography of Gender
9  11月29日  Gender and Sexuality  Gendered Spaces
10  12月6日  Gender and Sexuality  Sexuality and Sexualized Spaces
11  12月13日  テーマ討論(意見のポストに振り替え)  
12  12月20日  Environmental Justice  The Unavoidability of the Justice Question
13  1月10日  Environmental Justice  Substantive vs Procedural Justice, Principles of Justice
14  1月17日  Environmental Justice  Principles of Justice
15  1月24日  Environmental Justice  Considerability
16  1月31日  テーマ討論  

V テキト・課題文献 

Stentor Danielson (Slippery Rock University) 著 Overview of Human Geographyのサイトは以下です。
http://debitage.net/humangeography/index.html

VI 辞書サイトとコミュニケーション

翻訳に際してはテキストを一括して機械翻訳するDeepLGoogle翻訳がありますので、これらを併用して翻訳を進めて下さい。活用の仕方はGoogleドキュメントを通してお知らせします。

演習に関する諸連絡はGoogleドキュメントやMoodleを通して行います。演習日以外にも質問などをポストすることができますので、活用してください。翻訳などで困ったことがあれば遠慮なく教員に相談して下さい。

地理学野外調査実習Ⅱ 2023(前期)

沖縄出身者と沖縄

時間と教室:
水曜日3限(13:15-14:45)
文学部増築棟L363号室

担当教員:山崎孝史(やまざきたかし)
研究室:文学部棟358号室
電話:06-6605-2407
Eメール:yamataka[at]omu.ac.jp
オフィスアワー:事前連絡があれば随時面談可能です。

I 担当教員のプロフィール

1961年京都市生まれ。2004年コロラド大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。専門は政治地理学、特に地域社会軍事化、地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄。沖縄の基地所在市町村の変容、日米安全保障関係の変化と社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(四段)。

II 授業概要

2年生次に習得した野外調査の技量をベースに、前半では関西地方(6月ごろ実施予定)における一日エクスカーションの案内を企画・実施し、後半では沖縄県(9月ごろ実施予定)における野外調査を実施し、報告書を作成します。なお、本実習の一部は地理学講読演習Ⅰの内容と連携しており、野外調査に必要な経費の一部は自己負担となるので留意して下さい。

III 達成目標

野外調査に必要な調査の準備、計画、技術、公開に関わるスキルを向上させることができるとともに、座学を超えた地域の理解が可能となるでしょう。

IV 授業内容・授業計画

日程はあくまで現時点での予定ですが、5月から9月にかけて、春季エクスカーション下見、同案内、沖縄フィールドワークを実施します。特別な事情がない限り、参加して下さい。

週番号 月 日 テーマ 課題文献
1  4月12日 イントロダクション―授業の構成と他科目との関係  
2  4月19日 地域をガイドする①―エクスカーション(EX)地の選定  
3  4月26日 地域をガイドする②―EXテーマの調査  
4  5月10日 地域をガイドする③―EX地・テーマの地理的表現  
5  5月20日 地域をガイドする④―EX地の下見(予定)  
6  5月27日 地域をガイドする⑤―EXの実施(予定)  
 6月7日 (山﨑イタリア出張、沖縄現地調査で振替)  
7  6月14日 沖縄出身者聞き取り①  
8  6月21日 沖縄出身者聞き取り②  
9  6月28日 沖縄出身者聞き取り③  
10  7月4日 沖縄出身者聞き取り④  
11 7月11日 沖縄調査準備①  
12 7月18日 沖縄調査準備②  
13 9月10-13日、13-16日 沖縄現地調査①  
14 9月10-13日、13-16日 沖縄現地調査②  
15 9月10-13日、13-16日 沖縄現地調査③  

V 成績評価方法と履修上の注意

各週課題(30%)、口頭発表・ガイド(30%)、現地調査報告書(40%)から評価し、評点の60%以上を合格とします。本実習は、ハワイ大学との交流を行う地理学講読演習Ⅰ・Ⅱと緊密に連携していますので、できればこれらの科目も受講して下さい。授業に関する各種通知は学習管理システム(Moodle)および教員ホームページ(polgeog.jp)を通して行います。

VI 教材・課題・参考文献

山﨑孝史編『「政治」を地理学する—政治地理学の方法論』ナカニシヤ出版、2022年。教科書に示されている参考文献のほかは、授業中に指示します。

VII その他

授業に関する疑問点や相談したいことがある場合は、いつでも遠慮なく山崎までご連絡ください。

地理学講読演習Ⅰ 2023(前期)

Political geographies of Okinawa
沖縄の政治地理

教室と時間
文学部増築棟L363号室
毎週水曜日、午前10時45分から12時15分

担当教員:山崎孝史(やまざきたかし)
研究室:文学部増築棟L358号室
電話:06-6605-2407 Eメール:yamataka[at]omu.ac.jp
オフィスアワー:事前連絡があれば随時面談可能です。

I 担当教員のプロフィール

1961年京都市生まれ。専門は政治地理学、特に地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄。日米安全保障関係の変化と沖縄の社会運動や投票行動との関わりを研究中。特技は合気道(4段)。米国西部にあるコロラド大学ボールダー校地理学部大学院に1998年から2001年まで3年間留学。

II 授業概要

地理学において、外国語は少なくとも英語の能力を磨くことが求められます。なぜなら、学界の最新の研究動向を知るには英語文献の読解力が前提となり、 将来自らの仕事や研究の成果を国際的に発信していく上で英語が鍵を握るからです。本演習ではこうした観点から英語文献の精読とそれに関する口頭発表を行います。本演習では、人文地理学関連(オンライン事典など)のサイトを用いていくつか選ばれたトピック項目を全員で翻訳・精読していきます。学期末には課題サイトの内容をもとに各自で関心のあるテーマについて英字新聞記事を選定し、その内容を発表します。以上を通して英語文献の内容理解のノウハウを習得します。なお、本年度は地理学野外調査実習Ⅱの訪問先である沖縄に関する主に植民地化の歴史と政治地理について英語で学習していきます。

III 授業の到達目標

英語学術文献を効率的に翻訳し、内容を理解するノウハウを習得できるようにします。同時に自らの関心に応じたテーマを英語資料から探り出し、外国におけるテーマのとらえ方について理解した上で、要約提示する能力を身につけます。

IV 事前事後学習の内容

各週の翻訳課題や英作文は担当者が事前にGoogleドキュメントにアップロードし、教員のチェックを受けます。発表された成果については事後参照できるようGoogleドライブにアップロードします。授業にはノートパソコンをご持参ください。

V 評価方法

(1) 出席:指定された期日までに各週の課題を提出すること、ならびに討論に当日参加することによって出席とみなします。出席(課題提出)数が2/3以上の受講生を評価対象とします。未提出や提出が遅れた場合は減点しますが、体調と関わる場合は考慮しますので、事前ないし事後にお知らせください。

・オンライン(遠隔)授業について
本演習では状況によって遠隔授業を実施することがあります。その場合はMoodle、Zoomなどのシステムやアプリケーションを活用する予定です。具体的な活用の手順は追ってお知らせしますが、受講予定者は(特に授業時間帯に)インターネットアクセス可能な環境とデバイスの確保を心がけてください。

(2) 各週の課題:オンライン翻訳サイトを用いて、課題文献について、全員で翻訳を進めます。課題項目の翻訳文と疑問点を演習実施日の前々日(各週月曜日)の午後5時までに指定のサイト(Googleドキュメント)にアップロードして下さい(70点)。

(3) それぞれの課題の内容を評価し、総得点60点以上を合格とします。

VI 演習内容

各週のテーマは暫定的なもので、順次更新・確定されます。課題文や課題動画には執筆者・作成者自身の観点が反映されていますので、それを踏まえて読み・聞き取るように心がけてください。必要に応じて課題以外の資料も参照して下さい。

週番号 月 日 テーマ 課題文・動画
1  4月12日  Introduction to the course: How to translate quickly  New Imperialism in “Pacific Ocean” (Wikipedia)
 「太平洋」日本語解説
2  4月19日  Ryukyu Kingdom and Japan: Tributary relations  Ryukyu Kingdom (Wikipedia)
 「琉球王国」日本語解説
3  4月26日  Ryukyu Kingdom and Japan: Ryukyu Disposition  Ryukyu Disposition (Wikipedia)
 「琉球処分」日本語解説
4  5月10日  Integration of Okinawa into Japan 遠隔授業

 History of Okinawan language (Wikipedia)
 Dialect card (Wikipedia)
 「沖縄方言論争」日本語解説

5  5月17日  Battle of Okinawa in 1945  Battle of Okinawa (wikipedia)
 「沖縄戦」日本語解説
6  5月24日  US military occupation and administration (1) 遠隔授業  Movie (学内限定)
 「米軍の沖縄上陸、占領と統治」(論文)
7  5月31日  US military occupation and administration (2)  Movie (学内限定)
 「米軍の沖縄上陸、占領と統治」(論文)
8  6月7日  Okinawan protest against the US military (1) 自習課題

 Koza Riot (Wikipedia)
 ETV特集(学内限定)

9  6月14日 Okinawan protest against the US military (2) Koza Riot (Wikipedia)
 ETV特集(学内限定)
10  6月21日  Article on contemporary Okinawa (1) 発表準備  
11  6月28日  Article on contemporary Okinawa (2)   TBD
12  7月5日  Article on contemporary Okinawa (3)  TBD
13  7月12日  Article on contemporary Okinawa (4)  TBD
14  7月19日  Article on contemporary Okinawa (5)  TBD
15  7月26日  Article on contemporary Okinawa (6)  TBD

VI 課題文献・辞書サイト 

具体的な課題文献は順次お知らせしていきますが、読み通すのに時間がかかる学術論文よりも問題を焦点化して執筆される英文の解説ウェブサイト(Wikipediaなど事典サイトや関連組織の公式サイト)や翻訳字幕を利用できる動画を主たる資料とし、翻訳と理解を進めます。翻訳に際してはテキストを一括して機械翻訳するDeepLGoogle翻訳がありますので、これらを併用して翻訳や英作文を進めて下さい。その他の連絡はGoogleドキュメントほかを通して行います。

VII 辞書サイトとコミュニケーション

演習に関する諸連絡はGoogleドキュメント、Moodle、さらには教員のホームページ「政治地理のページ」を通して行います。演習日以外にも質問などをポストすることができますので、活用してください。翻訳・英作文などで困ったことがあれば遠慮なく教員に相談して下さい。

現代地理学入門 2023(前期)

現代地理学入門―人間の領域性を考える

時間と教室:
火曜日4限(15:00-16:30)全学共通教育棟813号室(地図参照) 
対面授業

担当教員:山﨑孝史(やまざき・たかし)
研究室:文学部新棟358号室
オフィスアワー:事前連絡の上、随時
Eメール:yamataka[at]omu.ac.jp([at]は@に)
電話:06-6605-2407(研究室)

ティーチング・アシスタント:伊藤航(いとう・わたる)

I 担当教員の自己紹介

京都市生まれ。専門は政治地理学、特に地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクス。調査フィールドは沖縄、日米安保体制の変化と沖縄の社会運動と投票行動との関わりや、復帰前の沖縄における米軍統治の実態などについて研究中。特技は40年以上続けている合気道(四段)。

II 授業概要

現代の地理学は、都市と農村、景観、食糧供給、工業立地、流通システム、政治、観光、文化、地図、地理情報、公共政策・環境問題といった多面的な問題を学ぶことのできる分野である。本講義は大きく「地域の見方」、「経済活動の地理的特徴」、「地理的想像力」、「歴史地図の読解」、「地理学と現代社会との接点」の5部から構成され、対象によって分類される地理学の視角と分析方法についてわかりやすく講述する。地理学を通して、過去から未来、そして地域から世界へと、私たちの思考を拡げていく。

III 授業の到達目標

各回の講義と課題の事前・事後学習を通して各週のテーマ、すなわち主要な地理学分野に関わる主題について、地理学的な見地から理解できるようになることを目指す。その理解の到達度については、各週課題の事後確認によって進捗を確認するとともに、小テストによって各段階での到達度を確認する。

IV 授業内容・授業計画

授業回 月 日 テーマ テキストの章 資料(学内限定)
1 4月11日 イントロダクション(講義ガイダンス) はじめに PDF
2 4月18日 地域の見方―領域性の意味と理論(1) 第1章 PDF
3 4月25日 地域の見方―領域性の意味と理論(2) 第1~2章 PDF
4 5月9日 経済活動の歴史地理―領域性のモデル(1)オンデマンド 第3章 PDF
5 5月16日 経済活動の歴史地理―領域性のモデル(2) 第3章 PDF
6 5月23日 第一回小テスト 第1~3章 解答例
7 5月30日 宗教の地理的想像力―カトリック教会(1) 第4章 PDF
8 6月6日 宗教の地理的想像力―カトリック教会(2)オンデマンド 第4章 PDF
9 6月13日 米国の歴史地図―領域的システム(1) 第5章 PDF
10 6月20日 米国の歴史地図―領域的システム(2) 第5章 PDF
11 6月27日 第二回小テスト 第4~5章 解答例
12 7月4日 現代社会との接点―職場の領域性(1) 第6章 PDF
13 7月11日 現代社会との接点―職場の領域性(2) 第6章 PDF
14 7月18日 現代社会との接点―職場の領域性(3) 第6章 PDF
15 7月25日 総括―領域性の事例 第7章、解題 PDF
16 8月1日 期末テスト 第6章~解題 解答例

V 成績評価方法

原則としてテスト日を含む授業回数の2/3以上の出席者を成績評価の対象とします(Moodleに記録されたデータを用います)。到達目標の達成度については、第一回・第二回小テストについては教科書で説明される理論の理解の程度、期末テストについては理論の応用力が試されます。三回のテストの合計点100点満点に対して60点以上得点して、人間の領域性の理論を理解し、それを現代社会に応用して考えることができると判断された場合に合格とします。

VI 履修上の注意

講義ホームページ(https://polgeog.jp/)と学習管理システム(Moodle)を用いて講義を進めますので、講義スライド等の必要な情報を各媒体から入手し、講義に臨んでください。

VII 教科書

ロバート・サック(山﨑孝史監訳)『人間の領域性―空間を管理する戦略の理論と歴史』明石書店、2022年(授業は本書に忠実に沿って進め、試験の際も持ち込めますが、購入は任意とします)

2022年度卒業論文

西田 歩莉(にしだ あゆり)

創作作品における遊郭表象―『鬼滅の刃』と『この世界の片隅に』との比較から

論文(pdf 4.72MB)学内限定公開

 卒業論文執筆にあたって指導教員の山﨑先生には厚くお礼申し上げます。元々文化の方面にばかり興味が向いていた中でどう「地理学」の枠組みで研究をしようかと悩んでいた時、山﨑先生に「遊郭」を提示して頂いたことが天啓のように感じたのを思い出します。どうしても学術的な問題とぶつかるテーマな為、これで良いのかと葛藤することもありましたが、山﨑先生のご指導の元、なんとか完成させることができました。個人的にはとても楽しく卒業論文を書くことが出来た為、このテーマで、そして指導教員が山﨑先生で良かったです。

私からの一言:マンガやアニメで描かれる場所という、地理学コースではほとんど扱われなかったテーマに取り組むということで、分析方法を色々工夫しないといけない論文でしたね。しかし、アニメ化されたマンガ二作品を作品間と媒体間で比較する構成にすることでかなり説得力と読み応えのある論考になったと思います。

増田 一輝(ますだ かずき)

宇都宮市のLRT導入計画はなぜ実現したのか―事業広域化と都市ビジョンの検討から

論文(pdf 1.97MB)

 宇都宮市のLRT事業について扱うことは決まっていましたが,調べれば調べるほど,その情報量の多さから何をどのように書けばよいのか,苦悩する日々でした。山崎先生にはその都度アドバイスをいただき,方向性を示して下さいました。本当にありがとうございました。内容に関しては,出来事をうまくまとめるのに精一杯で,単調な議論になってしまったことを悔やんでいます。もっと地理学的な視点に軸足を置くことができれば,面白みのある研究になったと思います。これもひとえに、自分の勉強不足を痛感しています。とはいえ,非常に興味深いこのテーマで一つのものを書き上げることができたことは嬉しく,その過程でたくさんの学びを得ることができました。卒論を終えた今はただ,もう少しで開業する芳賀・宇都宮LRTに乗ることを楽しみにするばかりです。

私からの一言:事業計画が紆余曲折を経て実現に至る過程は収集した資料から良く描けていたのですが、テーマが早めに決まっていたのに対して、資料収集の時期が遅れ気味で、集めた資料からさらにどんな考察を展開できるかについて考える時間が少し足りなかったかもしれませんね。日本で初めての新設LRTがこれからどう評価されていくかは確かに注目されますね。

山野井 愛友(やまのい あゆ)

富田林寺内町の持続可能なまちづくりと女性の役割

論文(pdf 1.82MB)学内限定公開

 以前から興味のあった空き家問題にジェンダーの視点を取り入れたことで、私自身「まちづくり」についての新たな見方や考え方を得られたと感じています。
 しかし、女性についての論文であるにも関わらず、女性店主への取り調査を十分に行うことができなかったため、偏った視点からの論文になってしまいました。このような点は反省すべき点であり、まだまだ突き詰めていく必要がある点だと思います。
 最後になりましたが、卒業論文執筆において聞き取り調査にご協力いただいた皆様、幾度も貴重なご指導をいただきました山崎先生に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

私からの一言:大都市郊外の重伝建地区におけるまちづくりをめぐる構造的問題をジェンダー(女性就労)の視点から切り込むという大変興味深い論考です。そうした文脈の中で女性の主体性をどこまで把握できたかという点ではやや物足りなさが残るものの、フィールドに何度も出かけ、地域の実態を浮き彫りにした点は評価できます。

芳田 翠子(よしだ みどりこ)

無居住神社における神職・氏子の役割と氏子意識―奈良市内の3神社を事例に

論文非公開(閲覧を希望される方は山﨑までご連絡ください)

要旨:本研究では、奈良市内の氏神神社3社を事例にどのような形で神社兼務が行われ、どのような形で住民が氏子とみなされ、神社と関わっていくのかを明らかにする。調査の結果、信仰の内容によらず、神社運営の主体となる周辺住民との合意によって神職は神社の兼務を行うことが明らかになった。さらに、無居住神社では地縁だけではなく血縁、氏子費の納入、神社との日常的な関係性の深さが氏子として認められる要素となることが示されたが、そうした氏子は減少傾向であり、神社維持のための新たな取り組みが模索されている。

コメント:卒業論文の執筆にあたり、聞き取り調査にご協力いただいた神職・氏子の皆様、2年にわたり指導教員を務めてくださった山崎先生に厚く御礼申し上げます。
 地理学コースに所属する以前から神社に関心を持っていましたが、自身の興味と論文のテーマとを上手く繋げられず難儀し、またコロナ禍や就職活動の中で自分を見失ってしまったことで、方向性が定まるまでにかなりの時間を費やしてしまいました。山崎先生が親身になって指導してくださったこともあり、なんとか論文を完成させることはできましたが、初期の迷走が調査時間や内容の不足を招き、現代の宗教観と関連させた発展的な考察まで至らなかった部分は反省点です。
 一方で、紆余曲折を経て最終的に無居住神社をテーマにできたことで非常に自分らしい論文になったとも感じています。また、兼務をされている神職の方と、日常管理を担われている氏子の方々の双方にお話を伺えたことは、神社の実態を考える上で得難い経験となりました。失敗や悩んだ点も含め、卒業論文執筆の一連の学びを今後の生活で活かしていければと思います。

私からの一言:体調の問題もありながら、卒論を書き上げることができたことがまず良かったと思います。しかし、テーマは大変興味深く、現代における神道と地域社会との関係をつまびらかにした点で評価できる論文です。地理学が宗教を扱うなら、こうしたアプローチがありうるということを、少子高齢化という現代的な文脈から明らかにした論文でもあります。